船釣りの安全対策:意外なリスクと、その対策。

2_船釣りへの挑戦

 初めて船釣りにチャレンジする際には、何に注意するべきかのイメージがつきにくいと思います。
 その結果、意外にも何気ない行動が危険につながることもあります。

 趣味として楽しむ釣りでも、狩りの要素を含んでいるため、落水以外にも怪我のリスクがあることは事実です。
 加えて、船の上は不慣れな場所のため、岸とは異なる配慮が必要となります。

 本記事では、船釣りにおける安全のために、注意すべき事項をまとめています。

 船釣りでの安全対策をまとめたものは少なく、注意点が明記されていないです。
 そのため、本内容は初めて船釣りをする方にとって、当たり前のものから、意外なものまであると思います。

 初めて船釣りにチャレンジする方の参考になれば幸いです。

1 魚を釣り上げた時に、釣具(オモリや針)が頭にぶつかる

 特に、魚が釣れた時に気を取られてしまいがちで、とても注意が必要です。

 具体的には、下記の左図のとおり竿先とオモリが近い状態に発生します。
 対策として、右図の通り、オモリが離れている(概ね1m以上)なら問題がないため、「魚が掛かっても糸を巻き過ぎない」ことが非常に大切です。

【解説図】竿でオモリが振り回される原理

 特に船は揺れているためバランスを崩しやすく、その際に竿を持った腕を無意識に腕を動かすと、竿の先のオモリも素早く動き、振り回されます。

 なお、これについては船宿でも特に注意しているため、当日のレクチャーでも説明されることが多いです。

 上記を防ぐための回収方法は次の図のとおりです。
 竿先とオモリを離した状態で竿を立てても、オモリが船内に入らないことが多いため、図のように回収します。

【解説図】オモリの回収方法

 なお、この方法は魚を逃さないテクニックにもなります。
 オモリを振り回すことは、掛かっている魚を振り回すことにも繋がり、針外れや糸切れの原因となりますが、上記の方法にすることでそのリスクが避けられます。

2 転倒や落水について

2.1 見落としがちな転倒や落水の可能性を上げる要素

 船の揺れや足場の滑りやすさは転倒のリスクを高める要因で、多くの人がこれらに対して自然に注意を払います。

 しかし、転倒のリスクを増加させる隠れた要素があり、これに気付かないことで転倒リスクが上がります。
 実際、転倒する場面としても、下記の要素で転んでいることが多いです。

2.1.1 想定外の体の疲労

 釣りによる疲労はもちろんのこと、船の揺れで体幹が疲労します。
 この体の疲労は、日常的では経験することがないため気付きにくいですが、バランスを崩した際に立て直しの反応が遅くなります。

 釣りの終盤や下船時などは、船に慣れてきて油断しがちで、一方で体は疲労していため、最初の感覚で動くと転倒のリスクが上がります。

2.1.2 餌や魚の油分による滑りやすさ

 餌として使う魚のミンチや切り身に含まれる油分は、床を滑りやすくします。
 最初の頃は不慣れなため、足元に餌を落としがちで、それを踏んだ靴も滑りやすくなります。

 アジ釣りでは魚のミンチ、タチウオやカサゴ釣りでは魚の切り身を使うことが一般的です。
 これらの油分によって床が滑りやすくなることがあるため、移動する際は常に滑りやすい状況を前提として動く方が良いです。

2.2 転倒・落水リスクを下げるための防止策

2.2.1 釣り中の移動時には、手すりを両手で交互に掴みながら移動

 トイレへの移動や船長との相談など、立って移動する際には、常に一方の手が手すりを掴んでいるよう状態にしましょう。
 子供の頃にやった雲梯(うんてい)のように、両手で交互に掴みながら移動すると安全です。
 足が着いていても、滑ったりふらつく可能性があるため、足だけを頼りにするのは危険です。

 船の移動中の揺れは激しく、うねりを乗り越えた時には下から殴られたような衝撃を感じるほどです。慣れるまで、最初は座っているようにしましょう。

 慣れてきたと感じると注意が緩みますが、波がない日でも他の船による波で急に船が揺れることもあるため、それらが想定できるまでは注意した方が良いです。
 (むしろ、想定できる様になると、自然と常に何か掴んで行動する様になると思います。)

2.2.2 下船時に注意すべき要素

 下船時は、慣れている人たちが素早く降りていくため、なんとなく焦りたくなります。

 しかし、下船時はこれまで記載したとおり疲労や餌等の汚れで特に転倒しすく、加えて、荷物も持っているため、転倒のリスクが非常に高いです。
 クーラーボックスは、魚で最初よりかなり重くなる場合があります。

 荷物を沢山持つと、手すりが掴めない場合もあるため、不慣れなうちは片手を空けるなどの配慮が必要です。
 船は岸に固定されて揺れは少ないのですが、何度か往復して荷物を少しずつ下ろすなど、慎重に行動することが重要です。

 焦らず自分のペースで安全に降りましょう。

3 糸の巻き付けによる怪我

 釣りで使う針が危ないのは当然ですが、意外と糸も扱い次第で危険です。

 糸は釣具として、可能な限り細く、頑丈に作られているため、巻き付けてしまうと皮膚に食い込み、怪我をすることがあります。
 絶対に手や指に巻き付けないようにしましょう。

 思わずやってしまいやすい場面は、仕掛けが底に引っかかった時です。
 この時に、糸を持つ場合がありますが、しっかり引っ張ろうとするあまり手に巻きつけてしまうことがあります。
 船が止まっているから大丈夫と思っても、船が風や潮で動くことで引っ張られる危険があります。

 最初のうちは、根掛かりした時は、船長や付近の人に声をかけて相談すると安全です。

 なお、人がらみに関しては次のページでもまとめているため、併せてご覧ください。

 →糸の絡み①:「隣の人」と絡まないための予防・対応

 →根掛かり対策:大きく差が出る、船釣りの根掛かり対策

 

4 魚のヒレやエラによる怪我

 魚のヒレには棘があり、掴み方によっては手に刺さることがあります。
 しかし、滑らないように持てば基本的に問題ないため、タオルで掴むようにしましょう。

 また、エラが鋭い魚も多いので注意が必要です。針を外すことに集中して、口の辺りを素手で強く抑えると切れることがあるからです。

 掴むコツは、魚が暴れている時は止まるまで待ち、止まった時に上からタオルを被せて、その上からゆっくり優しく掴むことです。
 早く掴むと力が強くなり、魚も危険を感じて暴れやすくなりますが、優しく持つと意外と暴れにくいです。

 もし暴れた場合は、一旦離して落ち着くのを待つと良いです。

5 まとめ

 このページでは、船釣りで遭遇する可能性のある危険な行為について説明しました。

 初めて釣りに挑戦する方にとっては、予想外の内容もあったかもしれません。

 船釣りにチャレンジする際に、これらのポイントを心に留めつつ、楽しい時間を過ごせるよう願っています。

※参考

 本ブログでは、釣りを趣味として深めていきたい方や経験者向けに、釣り方毎の詳細や、釣具紹介等を掲載していく予定ですので、ご覧ください。
 →本サイト全体の目次

 また、船釣りにチャレンジするための情報をまとめたカテゴリーページはこちらです。
3_船釣りへの挑戦

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