本ブログでは、釣り初心者に向けて船釣りでのアジ釣りをお勧めしていますが、釣りの後の臭いが気になる方もいらっしゃると思います。
実は臭いの原因は限定的で、それを周囲につけることで全体が臭くなっています。
そこで、この記事では、その臭いの対策として「1 臭いの原因」と「2 臭いがつくタイミング」を明らかにし、それを基に「3 対策」をご紹介します。
釣りを始めたばかりで不慣れなうちは、気が回せないかもしれませんが、釣りに慣れていく中で、可能な範囲で気遣えばその分は臭いが減らせます。
また、汚れを防ぐことは作業をスムーズにすることにもなり、より多くの魚を釣るための上達にも繋がるでしょう。
1 船アジ釣りにおける、臭いの原因
船のアジ釣りでは、魚のミンチを撒き餌(コマセ)として使用し、その餌が主な臭いの原因となります。
釣り上げた魚より、餌の方が断然強い臭いで、その理由は餌は常温で置かれるため腐りやすく、不快な臭いを発するためです。
そのため、餌の扱いを意識することで、効果的に臭いが軽減できます。
なお、魚は、翌日以降に臭いがします。
次のリンク先で、「帰宅後の消臭方法」として、釣った魚の臭い予防や、台所での扱いを記載しているため合わせてご覧ください。
→釣りの臭い対策③:釣りの臭い消し。洋服、道具、台所ごとに個別対応
2 アジ釣り中に、汚れや臭いがつくタイミング
船釣りに行くと、各自の席に撒き餌が入っているバケツ等(以降、「撒き餌入りバケツ」と記載します。)が置かれています。
その中に入っている限りは、当然周りは汚れないのですが、釣りに不慣れなうちは、下記のプロセスを経て色々な所に落とします。
その結果、手の周辺だけでなく、腰、お尻、腕周りなど様々な所に付けやすいです。
2.1 撒き餌が体につく流れ
- 撒き餌入りバケツから撒き餌をカゴ*に入れますが、
入れる時に撒き餌がカゴからはみ出すと、はみ出た撒き餌の塊が手についたり、海に投入する前に船縁に落ちたりします。
*カゴとは:餌を入れるための道具で、オモリがついた、金属製の網カゴ(小さな握り拳程度の大きさ)。一部が扉となっていて、そこから撒き餌を入れます。 - 魚が釣れた時に、カゴに撒き餌が残っていると、魚を船に入れる時にカゴを置いたところに撒き餌が落ちます。
カゴを撒き餌入りバケツに戻せば問題ないですが、初めのうちは釣れたアジに集中して、カゴを船縁や座る所等の様々な場所に置いてしまい、そこにコマセが落ちます。 - 船釣りでは、自分の場所(席)が決まっており、その場所で座ったり、船べりに体(腰あたり)を預けながら釣りをします。
上記1,2で、座る場所や船べりに撒き餌が落ちていると、体(お尻や腰回り)に付くこととなります。 - 上記の1〜3で、手や体に付いた撒き餌が塊の場合、次に触れたところにも塊がつき、体の別の場所にも着くこととなります。
釣り中は、立ったり座ったり足元に落ちたものを拾ったりと様々な姿勢を繰り返すため、体に撒き餌が付いていると姿勢を変える際に他の場所につく可能性があります。
また、竿を手で持ったり脇に抱えたりとする中でも、竿やリールに撒き餌がついていると竿を経由して腕周辺に着きます。
塊が大きいほど範囲が広がるリスクが高まります。
要約すると、「撒き餌入りバケツから撒き餌を落としたり他に付けることで、体に臭いが付く」となります。
逆にいうと、「撒き餌入りバケツから落とさず、手についてもすぐに洗えば、体にはつかない」となります。
厳密に臭いを0にするのは困難ですが、体や手に付く量を減らすほど臭いが付きにくくなり、また、付いた臭いへの対応も楽になります。
3 釣りの各動作における具体的な注意点
船のアジ釣りの動作のうち、次のとおり餌を扱います。
① 撒き餌入りバケツから、カゴに撒き餌を入れる
② 仕掛け(カゴを含む)を、海へ投入する
③ 竿やリールを操作した後、
魚が釣れれば船に取り込み、釣れなければ仕掛けを船に回収する。
④ (釣れた場合)魚を外してクーラー等に入れる
(以降、①から繰り返し)
そのため、それぞれの動作時に、上記の「2.1 撒き餌が体につく流れ」のきっかけを作らないことが大切で、具体的には下記のとおりです。
【用意するもの】
- 手拭き用タオル
できれば、魚掴み用タオルとは別にあると便利です。
魚が大量に釣れるとタオルにヌメりが蓄積され、それで手を拭くのが不快になってきます。 - 手洗い用バケツ
船で借りられるため、乗船前に必ず確認しましょう(私も時々忘れますが。。。)
① 撒き餌バケツから、カゴに撒き餌を入れる時
どうしても手につきますが、持ち方等により着く量は軽減できますが。
片手の指の腹でカゴを持ち、別の手で、匙等*で巻き餌を入れます。
(*ほとんどお店で、巻き餌を入れるための匙等が借りられます。匙は、撒き餌入りバケツの中や横に置いてあります。)
撒き餌を、匙で入れる際には、カゴの内側以外に撒き餌がつかないように入れ、最後に溢れない*ようにします。
(*パンパンに入れるとはみ出しやすいだけで無く、カゴの中で水が動かず餌が出にくいため、水中で撒き餌が撒かれず、魚が寄ってきません。その点からも、8〜9割程度を目安に詰めることが大切です。)
撒き餌をカゴに入れ終わったら、扉を匙で押して閉め*ます。
*匙でうまく閉められない場合は、カゴのフタをロックする針金が歪んでいる可能性があるため、形を僅かずつ変えて調整してみましょう。出船前の空の状態で、匙でフタを閉められるか試して調整をすると良いです。
撒き餌を詰めてフタができたカゴは、一度撒き餌入りバケツに戻します。
(ただし、慣れてくると上記の動作でほとんど手が汚れず、バケツに戻さず仕掛けを投入できます。)
上記の作業の結果、カゴを持った手の指先のみが汚れます。
汚れた手は、手洗い用バケツでざっと手を洗い、手洗い用タオルで拭きます。
なお、注意点として、繰り返すと手洗い用バケツの水が汚れるため、汚れが貯まる前に入れ替えましょう。また、そのタイミングでタオルも入れ替えた水で洗います。
また、餌を入れる匙が汚れていると、それを持った時に汚れてしまうため、匙も綺麗に保ちます。
撒き餌に刺すように入れておくと持つところが汚れません。もし汚れた場合は、バケツの水で洗いましょう。
② カゴと仕掛けを投入する時
竿を片手で持ち、別の手でカゴ周辺を持ちます。
カゴ周辺とは、具体的には天秤(カゴの上にある針金等の棒)を持つと汚れにくく、持ち上げた後に海面に落としましょう。
最初は仕掛けが絡まないように、糸をつたいながら、ゆっくりと仕掛けを落とします。
なお、撒き餌入りバケツの置いたカゴを、竿だけで持ち上げると、竿の弾力でカゴが勢いよく飛び出して危険なため、手で持ち上げます。
もしカゴを持った手が汚れてしまった場合、(竿を持ったまま)オモリが沈んでいる間にザッと洗います。
③ 仕掛けの回収又は魚を釣り上げる時
仕掛けが沈んでいる間は、撒き餌を触ることがありません。
次に配慮が必要なタイミングは、仕掛けを回収し、船にカゴを戻す時です。
魚が釣れた場合も同様です。
仕掛けの回収時は、カゴが水面近くまで来たら、竿を上方向に上げて、まずカゴを手元に寄せて持ちます。(安全上の観点からもカゴを持つ必要があります。)
カゴは、撒き餌入りバケツに戻します。
とくに、魚が釣れて回収する時には、魚だけに集中して仕掛け(カゴ含む)と魚を一緒に船に取り組み、足元や船縁に置きがちで、その場所にコマセの塊を落としがちです。
魚が来ていても、まずはカゴを撒き餌入りバケツに置いた後、魚を手繰り寄せて、魚だけ足元等に入れます。
もし、撒き餌で汚れた場合は魚をクーラー等に入れた後に、バケツの水で綺麗にします。
④ 魚を外して、クーラー等に入れる時
魚から針を外そうとした時に、口から食べた撒き餌が落ちることが稀にあります。
魚が多く釣れている時に稀に発生する程度ですが、座っている所に落ちることがあり、配慮が必要です。
気づいた時は、手洗いバケツ等の水(綺麗に組み直したもの)で流しましょう。
また、魚掴み用のタオルに撒き餌がつくため、そちらも定期的に手洗い用バケツで洗うことがおすすめです。
以上に配慮することで、手をのぞけば、撒き餌がつく範囲が「撒き餌入りバケツ」「カゴ」「手洗いタオル」「手洗いバケツ」に限られ、体に臭いがつくことが防げます。
4 その他:匂い予防として配慮すると良いこと
最後に、参考として、不慣れなうちの配慮すると臭い対策を取りやすくなる事項を記載します。
対応というほど積極的な内容ではありませんが、補足程度に記載するものです。
4.1 波が少ない日を選ぶ
波が無い日は作業がしやすいため、少し注意すれば撒き餌を落とし難いですし、体を船べりに預けなければ体につくことも避けられます。
とはいえ、天候次第となり、波があるかの予測は難しく(不慣れなうちはなおさら難しい)です。
4.2 汚れても洗いやすい服装を着ていく
できるだけ波のない日を選んでも天気が変わるため、汚れるリスクはあります。
身も蓋もないですが、最初は汚れる前提の服装でいき、帰宅後の対応を行い易くする、というのが現実的と感じます。
次のページでは、臭いの原因となるエサ等を使う釣りで、臭いを最小限にするための「事前準備」と「釣り中の注意点」などを解説しているため、合わせてご覧ください。
→釣りの臭い対策②:臭いを最小限にする事前準備と当日の配慮
5 まとめ
本記事では、船釣りでのアジ釣りに特化して、臭いが極力付かない対策を解説してきました。
慣れてくると、かなり臭いを減らせるため、悩んでいる方の参考になれば幸いです。
なお、次の記事では、そもそも臭い付きにくい釣りの選択について解説しているため、ご興味ございましたら、合わせてご覧ください。
→釣りの臭い対策①:臭いが付かない釣りを選ぶ
※参考
本ブログでは、釣りを趣味として深めていきたい方や経験者向けに、釣り方毎の詳細や、釣具紹介等を掲載していく予定ですので、ご覧ください。
→本サイト全体の目次
また、船釣りにチャレンジするための情報をまとめたカテゴリーページはこちらです。
→3_船釣りへの挑戦