釣りの臭い対策③:洋服、道具、台所、それぞれの消臭方法

1_釣りを始める。

 前のページ(釣りの臭い対策②)では、「釣りにで臭いが強くなる主な理由」と、その対策として「事前準備」と「当日の対応」を解説してきました。
 しかし、常に完全に臭いを消すことは難しいです。

 そこで、本記事では、臭いのつきやすい「洋服」、「釣り道具」、「台所」に分けて、それぞれの消臭対策を紹介します。

 釣りの体験を不快なものにせず、美味しい魚を気持ちよく食べるための対策として参考にしていただければ幸いです。

1 使用物の帰宅後の片付け

 帰宅後に使用したものを片付ける際、大まかに「洋服関係」「釣り道具」「ごみ」に分かれます。
 それぞれの対応について以下に記載します。

※なお、「魚の処理」に関しては、後述の「2 台所消臭対策」の項目で解説します。

1.1 洋服についた臭い対策

 洋服についた臭いの消し方は生地が傷まないようにある程度配慮が必要となります。
 一方で、家の中に持ち込んで洗濯するため、生活する中で臭いを感じやすい点が挙げられます。
 以下のような対応がお勧めです。

1.1.1 洋服に付いた汚れを落とす

 釣り中に餌などが洋服にくっつくことがあります。
 袖なら洗い流しやすいですが、それ以外の部分は家で対応することとなります。

 エサが付いている可能性があれば、他の洋服への臭い移りを避けるため、当日の洋服だけをまとめて洗うのが良いでしょう。

 ただし、レインコートの場合は、釣り場でざっと拭いておけば、汚れが落とせ、帰宅後の選択が楽にできます。

1.1.2 洋服に残った臭いを消す

 洗濯しても臭いが残る場合、干し方を工夫することで臭いをなくすことが可能です。

 太陽光と時間がポイントとなります。

 例えば、子供服などで強く汚れた場合は、日向に長く干すと消臭効果が抜群です。

 とはいえ、直射日光で数日間干せばほとんど臭いがなくなりますが、直射日光は洋服の痛みも早くなります。
 生地を痛めたくない場合は、陰干しで時間を長く取ることで消臭が可能です。
 陰干しでも、日向の近くであるほど、消臭効果は高いです。
 強い臭いの場合、1~2週間程度を目安に干していると、ほとんど臭いがなくなります。

 最初の数時間だけ直射日光で早く臭いを弱め、残った臭いを陰干しで無くすという方法も取れます。

 ハイター付け置きも有効な方法ですが、生地の変色リスクがあることと、個人的にハイターの臭いが苦手なことから洋服に使用することはほとんどないです。
 とはいえ、それでも臭いは取れています。

1.2 釣り道具の消臭と片付ける時の配慮

 釣り道具の特徴として、家の外であれば洗いやすいのですが、マンションやアパートなど外で洗えない環境の場合、家の中で洗うのは大変な点があります。
 また、収納場所が日常的に過ごすスペースに近いほど、より丁寧に洗う必要があるという点が挙げられます。

 家の内外に関わらず、次の段階での対応を行います。
 家の環境によっては丁寧さが変わる場合もあるため、それにも触れながら説明します。

1.2.1 海で釣りをした場合、水道水で海水を洗い流す

(淡水の場合は洗い流す必要がなく、餌や魚の滑りなどで強く汚れた場合だけ、その箇所を洗うことで済みます。)

 釣り場で餌などの汚れを落としておくことは、臭い対策で重要となります。
 加えて、海水の場合、帰宅後に海水自体が臭うことや、塩水が付着して保管すると道具が錆びたり、塩ガミ※などで痛むため、臭い対策を兼ねて洗う必要があります。

※塩ガミ:海水が蒸発して塩が結晶化する現象。特にジッパー、リール、竿などの細かいパーツに影響します。

 庭などで洗えるのが一番ですが、難しい場合は、釣り場でより丁寧に洗っておくと楽になります。
 私の場合、釣り場で海水で洗った後、濡れた雑巾でざっと磨いてから、同じ雑巾を絞って水気を拭き取りました。
 こうすると臭いが少なくなる上、家の中で水が滴る心配もありません。

 なお、車で釣りをされる場合は、ペットボトルに真水を入れて持っていけば、釣り場で洗えるため、洗いやすい上、車に臭いもつきにくいです。

1.2.2 干して、消臭する

 水道水で洗うと臭いはだいぶ軽減されますが、干すことで完全に臭いを取り除きます。
 庭やベランダなどで2〜3日干すのが理想的ですが、長く干すと道具が痛むこともあるため、1日から3日程度で仕舞う習慣をつけると良いでしょう。

 外で干せない環境の場合は、釣り場で丁寧に洗い、家で再度洗った後に、拭きあげます。手間はかかりますが、このように丁寧に処理することで、臭いを大いに減らせます。

 乾燥させることはサビ防止にもなり、道具を長持ちさせることができます。

1.2.3 魚掴み用タオルは、個別に対応します

 魚を掴むために使うタオルは魚の滑りがつくため、たくさんの魚を釣った日には特に強い滑りが残ることがあります。
 そのため、魚掴みタオルは個別に対応が必要となります。

 この際、タオルをよく揉み洗いした後、直射日光でしっかりと干すことが重要です。
 滑りが完全に取れない場合もあるでしょうが、直射日光で干すことにより、殺菌も行えます。

 私の場合、極力使い回すため、雨天時でも風通しの良い直射日光の当たる場所で干し、次に釣りに行く日まで長期間干しています。
 自然の魚を獲るため、綺麗な場所であれば野ざらしでも問題ないと感じる部分もありますが、極端に汚れている場合には捨てるようにしています。

 たとえ滑りが多く残っていても、十分に干せば臭いは消えるので、次回使用するかどうかは別として、太陽光の消臭効果には驚くと思います。

1.3 ゴミの家庭での処理方法

 ゴミに関しては、ほとんど釣り場での対応次第でで家庭での負担が決まります。現場で分別してまとめ、袋に入れて縛っておけば、家では捨てるだけになります。

 特に釣りの臭いは時間差で臭くなることがあるため、帰宅後の方が臭いが強くなり、さらには屋内だと臭いがこもることがあります。
 それを考慮して、釣り場で対応をしておき、家ではゴミ袋を開けずに済むようにします。

 なお、現場で入れた袋の外側が臭う可能性があるため、家の中のゴミ箱に捨てる場合は、さらに袋で包んだり、新聞紙で包んで対策します。

 もしゴミ袋を釣り場に持って行くことを忘れた場合は、「できる範囲でゴミも洗う」という現場対応と併せて、帰宅後に早く処理すると良いでしょう。
 帰宅後は、疲れた体で大変ですが、時間差で臭いが強くなり、嫌なものになることがあるため、早く処理すると効果的です。

2 魚を処理する台所の消臭対策

 魚の処理に伴う臭い対策は、釣り時の片付けというより、新たに台所で行う作業への対応となるため、別の対応が必要と感じています。

 とはいえ、丸魚の処理、クーラーボックスから出す作業、数が多い等の、釣りに伴う独特の作業も多いため、料理というよりは、釣りの技術の一つとして習得する方が良いと考えています。

 理由は、未処理の魚は大変で、それを家族に頼むと最初は喜んでも頻度が高いと負担に感じることがあり、結果的に釣りに行きにくくなるからです。

 釣りに行ける環境づくりと割り切っても良いと思います。
 下処理後の魚は反対に家族にとっては、釣りたてで美味しく、ありがたいものになります。
 釣りでは、慣れてくればアジ釣りでも40cm以上が釣れることや、マゴチやタチウオなど様々な魚と出会え、それらの大きな魚や珍しい魚を自分で捌くことができれば、食べる楽しみも増えます。
 結果的に、対象魚を増やせることにもつながります。

 子どもが釣りする場合は、子ども自身で処理すれば食育につながりますし、何しろ周りが楽で助かるため、子どもの自尊心にもつながります。

 食べ方の詳細は下記のリンク先に記載しています。
 釣った魚はサイズまちまちことがあるため、サイズや鮮度ごとにおすすめの食べ方を紹介しています。
 →初めての船釣りで、釣った魚のお勧めの食べ方

 また、下処理の方法は次のページで紹介しているため、併せてご覧ください。
 →魚を釣って、刺身で3日間楽しむ保存方法

2.1 魚の下処理として、出来るだけ早く長期保存できる状態にする

 新鮮な魚は、購入した魚と比較して臭いがとても少ないです。
 特に内臓は、当日であれば臭いが弱く、張りがあるため潰れにくく、比較的綺麗な処理が行いやすいです。
 そのため、理想は釣った日のうちに処理をすることが臭い対策として非常に有効です。

 もし釣ってきた魚の数が多く、1日で食べきれない量であっても、保存用の下処理として鱗と内臓(エラ含む)は全て取り、水気を取って保存することをお勧めします。
 なお、水気を拭く際には、ニトリの「カット式台ふきん」等の不織布の使い捨て布巾を使用すると、絞りながら何度も使えて経済的です。

 これらの臭い対策により、菌の繁殖も抑えられることから、結果的に鮮度維持にもなり、数日間おいしく刺身等で食べられることにもつながり、釣りで疲れた体で行うことは大変ですが、メリットも大きいです。

2.2 魚の処理後に臭いが強くならないよう先回りして対策する

 台所はリビング等の日常的に生活する空間に近いため、臭いがあると不快な思いをする頻度が多くなるため、臭い対策はとても重要です。

 幸いなことに臭い対策はしやすいのですが、時間が経って臭いが出ることから、臭いが出る箇所を把握して、先回りして対策をすることで効果が高められます。

 具体的に臭いが出るか箇所として、「流し台を洗う」、「不要物(頭、内臓等)」「クーラーボックス」となり、それぞれ下記で解説します。

2.2.1 流し台に魚の処理の残りを残さない

 魚を処理した流し台(シンク)は、魚の滑りや不要物(内臓等)が付いています。

 処理直後は魚自体の臭いの方が印象的なため見落としがちですが、長しに残った汚れがあると時間ととも臭いが出ます。

 そのため、魚の処理が全て終わったら、流し台(シンク)と排水溝を全体的に洗います。

 後述する、クーラーボックスを台所で洗う場合はクーラーボックスを先に洗う必要があります。

 流しを洗うときの配慮点として、洗う道具として元から使用している皿洗用スポンジを使うとそちらに汚れが付いて臭いが付いてしまうため、それは避けたいです。

 そのため、上記2.1の魚の処理でお勧めした、魚の水気を拭くための使い捨て布巾(ニトリ「カット式台ふきん」等)があれば、洗剤をつけてスポンジの変わりに使用して流しを洗え、最後に捨てられるためお勧めです。

2.2.2 処理後の不要物(頭、内臓等)

 処理後の捨てる部分(頭、内臓等)は、空になった牛乳パックに入れると良いです。

 牛乳パックは倒さなければ水漏れせず(ビニール袋はヒレなどで穴が開きやすい)、、ゴミの日に可燃ゴミとしてそのまま捨てられるため臭いが抑えられ、便利です。

 ゴミ処理日まで常温で置くと強く不快な臭いになるため、牛乳パックはごみ収集日まで冷蔵庫(できれば冷凍室)に立てて入れておくと臭いが出ないです。

 注意点として、冷蔵庫に入れるときは、パックの外側を洗い、簡易的に封(4面を内側に折り畳む)しています。

 家族の理解の有無に影響されると思いますが、魚が新鮮なうちに処理していれば臭いは弱く、「処理してなければ魚の中に入っていた部位で、それが牛乳パックの中に入っただけ」と割り切るようにしています。

 ただ、カサゴ、カワハギ等の一部の魚は、新鮮でも臭いがある(後日になるともっと強くなります)ため、冷凍庫に入れるようにしています。

 それでも個人的には、冷蔵庫の中が臭くなると感じたことはないです。

2.2.3 クーラーボックスの洗浄

 冷えている状態では臭いが弱いため、油断すると後から臭いが強くなります。

 したがって、魚の処理後にできるだけ早く洗浄する方が良いです。
 台所で洗う場合、シンクを洗う前に行うことで、シンクとクーラーボックスを共に洗浄できます。
 また、クーラーボックスは乾きにくいため、洗った後に拭いておくと、消臭効果が大きくなります。

 ちなみに、クーラーボックスは蓋全体が外せるタイプもあり、洗うことや乾燥を想定する場合、そのような製品を選ぶことをお勧めします。
 綺麗に洗ったつもりでも、閉めると水気が籠もるため、臭いがつきがちです。
 そのため、蓋を外した状態で乾燥させられると効果的です。

 クーラーボックスに関しては、購入時に大きさや機能で迷いがちですので、次のページで保冷力やおすすめの機能等をまとめているため、購入を検討されている方は合わせてご覧ください。
釣り用クーラーボックス①:考慮したいこと(大は小を兼ねず。持ち運び、収納、洗いやすさ等)

3 まとめ

 本ページでは、釣りが終わった後の臭いを消す方法を詳しく解説しました。
 釣りを快適にして楽しむため、ぜひお試しください。

 連載として、下記のページではニオイ対策を紹介しているため、合わせてご覧ください。

※ 参考

 本ブログでは、釣りを趣味として深めていきたい方や経験者向けに、釣り方毎の詳細や、釣具紹介等を掲載していく予定ですので、ご覧ください。
 →本サイト全体の目次

 また、釣りを始めたい方向け情報をまとめたカテゴリーページはこちらです。
 →1_釣りを始めてみたい方向け

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