
船竿を買いたいけど、種類が多すぎて何を選べばいいのかわからない…。
「基準がわかれば、もっと自信持って選べるのに」「どれくらいの値段のものを買えば良んだろうか。」と感じたことはありませんか?
そんな方に向けてこの記事では、初心者が最初の一本として扱いやすく、上達後も長く活躍してくれる“オールラウンド竿”の選び方をお伝えします。
もちろん、上級者が使っても十分に満足できる性能を備えているので、「とりあえず」ではなく「ずっと頼れる一本」を探している方にもぴったりです。
あなたがこの記事を読むと分かることは、次のとおりです。
- オールラウンドな竿の基準とは?(東京湾の船釣りの種類をベースに解説)
- 値段で何が違うのか。(高いものは必要か?)
- 東京湾オールラウンドロッド9選
この記事を書いている私は、次のとおりです。
- 関東在住、30年の釣り経験があり、130種類以上の魚を釣ってきました。
- 現在は、仕事と子育て(小学生と幼児)をしつつ、東京湾で年間100匹~300匹釣っています。
- 小学生のときに祖父から釣りを学んでから、ほぼ毎週父にせがんで一緒に行ってました。
- 今では、一泊する釣りも行きます。そして、エサ、ルアー、フライと様々な釣りで、岸や船から楽しんでいます。
オールラウンドな竿の基準とは?
あなたが竿を買うときに、次の5つの基準を押さえれば、東京湾の船釣りで幅広い魚種に対応できる「オールラウンドな竿」が手に入ります。
【ポイント】 | 【概 要】 | 【東京湾オールラウンド】 |
①種類 | 対象とする魚 | 汎用竿 |
②調子 | 竿の曲がり方 | 7:3 |
③錘負荷 | 使えるオモリの重さ | 20号〜80号 |
④長さ | 竿の全長 | 1.9メートル前後 |
⑤素材 | 曲がり方や重さに関係 | カーボン比率が高い(90%以上) |
なぜ【東京湾】と限定しているか?
地域ごとに釣れる魚の種類だけでなく、海流の強さや波のうねりの大きさが異なり、それに合わせて使う道具も変わってくるからです。
他地域でも使えないことはないですか、東京湾なら下図のとおり幅広く活躍します。
あなたが一本買えば、赤字の魚を全て狙えます。

オールラウンド竿と呼べる理由は?
「使いやすさはどうなのか?」「本当にオールラウンドなら釣れるのか?」と思ったなら、まずは下記の理由を読んでみてください。
①〜⑤のポイントは、どれも「多くの釣りに高水準で対応する」ための条件となるからです。
加えて、それぞれの理由を知ったあなたなら、自信を持って竿を選べるだけでなく、竿の扱いの上達が早くなり釣りのスキルが磨ける人になれるはずです。
①種類:まずは「汎用竿」を選択
船竿には、大きく分けて「汎用竿」と「専用竿」があります。
このうち「汎用竿」は、「扱いやすさ・掛けやすさ・引きへの対応力」がバランス良く作られた竿で、対応するオモリの範囲内でさまざまな魚や釣り方が可能です。
また、価格帯に応じて基礎性能が上がるため、お金を掛けた分の恩恵を感じやすいという特徴も持っています。
なお、汎用竿の中にも「硬め/柔らかめ」「ライト/ヘビー」などの種類があるので、商品選びの際には「②調子」や「③錘負荷」(それぞれ下記でお伝え)の確認が不可欠です。
一方で、「専用竿」は特定の魚や釣り方に特化した設計の竿です。
例として、次のような竿があります。
- カワハギ竿:穂先が繊細で掛けやすいが、バラしやすい。
- タチウオ竿:ハリが強くて操作性は高いが、慣れないと破損のリスクがある。
- マダイ竿:波があっても安定させる機能は高いが、反面に感度が低い。
こうした専用竿は、それぞれの魚の特徴に合わせて作られているので、特定の目的には強いです。一方で、破損のリスクが高かったり、他の魚は外れやすいこともあり、扱いに慣れが必要です。
その点、汎用竿は幅広く使えるため、「買ったけど使いどころがない」といった失敗も避けやすい選択肢です。
②調子(7:3):対応力の高さで選ぶ
竿の「調子」とは、どの位置から曲がるかを表したものです。
「7:3」は、穂先から3割がよく曲がり、残りの7割はしっかり残る、という意味です。

7:3調子なら、もっともバランスがよく、オールマイティです。
理由は、次のとおりです。
- 曲がりすぎる(5:5調子)と、感度が低く、アタリを逃しやすい。魚を誘うための操作が行いにくい。(可能な操作の種類が少ない。)
- 尖端調子(9:1調子)は、ショックが吸収できず、魚が外れやすかったり、糸が切れやすくなったりす。
7:3調子なら、その中間をしっかり押さた万能調子となり、魚種を問わず安定した釣りが楽しめます。
なお、「中途半端になるのでは?」と思うかもしれませんが、船釣りでは大きなメリットとなります。
理由は、船釣りでは船長が場所を選ぶので、自分の想定した環境とズレることが多いからです。そのときに、想定外の環境でも対象にできる竿があることで、多くの魚を釣ることができます。
あなたも汎用竿を買うと経験すると思いますが、専用竿より汎用竿の方が活躍する環境も多いのが現実です。
③錘負荷(20号〜80号):東京湾で使うオモリの範囲にぴったり
船釣りでは、狙う魚に応じて使うオモリ(=錘)の重さが決まっています。
この重さは、「号数」という単位(1号=約3.75g)で表されます。
そして、船竿には「錘負荷:◯号〜◯号」と、対応できるオモリの範囲が記載されています。
東京湾の場合は、下表(再掲)のとおり、20号〜80号がメインとなります。
そのため、あなたがこの範囲に対応した竿を一本買えば、それだけで多種の魚が釣れるようになります。

もし、「強い竿なら軽いオモリも使えるなぜ、使えるオモリに下限があるのか?」「竿に合わせて対象範囲の重さにすれば、良いのでは?」と疑問がありましたら、次のQ&Aが参考になるでしょう。
Q1:なぜ、使えるオモリに下限があるのか?
A1:竿には「しなり」があり、その特性に合った重さでないと、アタリが伝わりにくくなったり、仕掛けが安定せず釣れる魚が減るからです。
Q2:船の指定する重さでなくても、竿に合わせて対象範囲の重さにすれば良いのでは?
A2:釣船で指定された重さ意外は使うことができません。
理由は、周りの人と絡まり迷惑になるからです。
「見た目でわからないのでは?」と思うかもしれませんが、毎回のように絡むと、自然と船長の目に留まり、最悪の場合は釣りを止められることもあります。
※絡まる原理の詳細は次のサイトで解説
→ 釣りのおまつりの原因7つと、トラブルの避け方(簡単にできる方法)
Q3:強さに関して、L(ライト)、ML(ミディアムライト)、M(ミディアム)という表記もあるが、気にする必要ある?
A3:気にする必要ありません。
同じ表記でもメーカーによって異なるので、目安にならないからです。
それよりも、錘負荷を見て選ぶ方が、あなたにとって”使える竿”が買えるでしょう。
④長さ(1.9メートル程度)
長さは、使い勝手に大きく影響します。
注意したいのは、船釣りの場合、長すぎると扱いにくいです。
船の上はスペースが限られ、さらに波で揺れるため、竿が長いほどブレが大きく回収時に仕掛けを掴んだりする作業が大変になります。
一方で、短すぎる竿にもデメリットがあり、曲がるストロークが短くて、波の揺れに対応できなかったり、大きな魚の引きを吸収できずに糸が切られたりします。
「ちょうど良い長さがは、波の高さや仕掛けの長さで変わります。
そのため、あなたが東京湾の波や(うねり含む)と仕掛けを前提に、「1.9mを基準に、1.8m〜2m程度の長さ」から選ぶことで、様々な環境に対応できるでしょう。
⑤素材(カーボン含有量が高いものを選ぶ)
竿の素材は、操作性や感度に直結します。
「釣果を伸ばすため」「早く上達するため」に選ぶならカーボンの竿です。
カーボンは軽くて感度が高く、魚のアタリに気づきやすくなります。
「知らないうちにエサだけ取られていた…」という失敗も減らせるため、結果として釣れる数が増えせます。
軽い竿は疲れにくく、集中力も保ちやすいのも利点です。
なお、素材としてグラス(グラスファイバー)素材もあります。
こちらはしなやかで粘りがあり、魚がバレにくいというメリットがありますが、重くて操作がもたつくため、初心者には扱いにくい傾向があります。
なお、多くの船竿はカーボンとグラスの混合の竿も多く、スペックには「カーボン含有量◯%」と表記されています。
90%以上を目安としておくと、軽くて高感度な竿が見つけやすいでしょう。
値段で何が違うのか。
上記のスペックを満たす竿を候補に挙げると、さまざまな価格帯の竿があるので、不思議に思うのではないでしょうか。
以下では、値段の違いについてお伝えします。
価格が高くなると、軽量で高感度になってきます。
また、パーツもサビに強い金属が使われるので、長く使うことができます。
とはいえ、竿は、リールと異なり「高いほど良い」とはならないです。
以下で、詳しくお伝えしていきます。
軽さ・感度と、価格
高価になると、強度を保ったまま軽くできる素材が使用されます。
そのため、疲れにくいだけでなく、魚が食ったときに気づきやすく、多くの魚が釣れます。
操作もしやすいので、あなたが釣りが上達するほど良き相棒として釣りの楽しくしてくれるでしょう
軽量化や感度は、ミドルクラスのロッドでも、知識さえあれば性能が十分なものが選べるます。
そして、この記事を読んだあなたはその知識がついてるでしょう。
予算は以下の内容も考慮しながら決めると、長く満足できる竿が選べるでしょう。
汎用竿と予算
商品を選びをすると、「値段や種類が多くて、迷う」と感じるのではないでしょうか。
「汎用竿、7:3調子、錘負荷20〜80号」に候補を絞っても、たくさんの商品があるからです。
そこで、あなたが汎用竿を買うと、どう活躍するかのイメージをお伝えしていきます。
それを知ると、「できるだけ良い汎用竿を買ったほうが、長く活躍する」と気づくかもしれません。
まず、汎用竿の特徴ですが、「感度、操作性、釣れやすさなどのバランス」に重点が置かれていることです。
高価になるほど、バランスよく機能が洗練されます。
疲れにくさ、操作性が高くなるので、どんな釣りでもプラスに働きます。そして、あなたの買った竿が、多くの魚を連れてきてくれます。
「汎用性が高いものは中途半端」と言われることがありますが、船釣りでは汎用性の高さは強い武器となります。
その理由は、船釣りの環境にあります。
岸釣りなら、環境が合わなければ自由に場所が移動できます。
しかし、船釣りは船長が場所を決めるので、自由に移動できません。
もし「(自分の持ってる)専門竿では、環境に合わせられない」と感じても、そのまま釣りをすることになります。
しかし、高性能な汎用竿なら、想定外な状況にも対応できます。
例えば、天候の違いによる各竿の適応範囲のイメージは、次のイラストのとおりです。

お金を掛けるほど、価値がある理由となりますが、
また、「複数の専用竿で、様々な環境に対応する」こともできますが、経験豊富でないとうまくいきません。
理由は、次のとおりイラストのとおりです。
専用竿のカバー範囲は狭いので、その日の状況を予想して選ぶ必要があるからです。
(上級者は、乗船する船宿が狙う場所の特徴を知っており、季節や天候を見ながら予想して選んでいます。)

これらのことから、船釣りで汎用性の高さは強い武器になります。
また、専門竿を買った後も活躍します。
理由は、船釣りでは2本の竿を持ち込む人が多く、専用竿と汎用竿を組み合わせると対応力がとても高くできるからです。
汎用性の高い竿ほど、専門竿と遜色なく使い分けられることになります。
そのため、汎用竿は予算内でできるだけ高性能なものを選ぶメリットは大きいです。
初めての一本となるので、扱いやすく上達も早いです。そして、繰り返しとなりますが上達後も、高いレベルで様々な釣りや環境に対応して活躍しつづけてくれるでしょう。
ハイエンドモデルは必要?
釣り未経験者が最初に買うには難しい買い物になります。
理由は、ハイエンドデルの中には、一つの機能を研ぎ澄ませて、他を犠牲にしていることがあるからです。
例えば、汎用竿に限って見ても「軽量化に特化し、強度は犠牲」、「荒れた波の吸収に特化し、操作性が低い」「大物狙いに特化し、感度が低い」などがあります。
経験を積んで目的をもって選べば最高な竿になる一方、最初に買うと自分に合わないと感じるかも知れません。
また、ハイエンドモデルは、コスパは下がる傾向になります。
理由は、ハイエンドモデルは最先端の技術が採用され、開発費なども上乗せされます。
経験者が性能を最大限に生かせ多くの魚が釣れますが、初めての道具としてはその特性は活かしづらいでしょう。
そのため、もしあなたが釣り未経験者ならハイエンドの下のクラスから選んでみてはいかがでしょうか。
東京湾で、多くの魚が狙えるロッド
以降は、具体的な竿を紹介していきます。
ハイエンド
シマノ ライトゲーム エクスチューン 73 MH195 (LEFT /RIGHT)( 錘負荷20〜100号)
有名メーカー「シマノ」のハイエンドで、実売5万円程度です。
ハイエンドの中ではクセの無いスペックですが、繰り返しとなりますがすべての人に必要ということではないです。
もし、あなたが釣り経験者で、「最高峰の竿で、東京湾を一本で攻略」するなら候補にできるでしょう。
※竿は左右の手どちらでも持てるものが多いのですが、このシマノの竿は、右手用/左手用が別になっています。(他のメーカーなら、両手兼用が主流です。)
ミドルハイ
このクラスから、機能が高くコスパも良いものになってきます。
ダイワ リーディング スリルゲーム 73M-195•Y( 錘負荷20〜80号)
有名メーカー「ダイワ」のミドルクラスです。
同メーカーのハイエンドは「極鋭」シリーズとなりますが、
東京湾での汎用性やコスパでは「リーディング」が勝るでしょう。
私も同メーカーの船竿を使用していますが、芯を感じさせてくれる強さがあり、
「なんだかんだで、色んな場面で活躍する(魚を釣ってくれる)竿」と感じてます。
ハイエンドではなくても高価ですが、あなたがこちらを選べば多くの魚と出会うきかっけにできるのではないでしょうか。
がまかつ ライブラⅡ タイプM( 錘負荷30〜80号)
「がまかつ」は、ダイワ、シマノと並ぶぐらい有名なメーカーで、根強いファンが多くいます。
このメーカーのハイエンドは専門竿だけとなっています。
そのため、汎用竿はミドルクラスの価格帯のこちらに絞られており、バランスに最も特化した一本といえるでしょう。
持ったことがありますが、バランスの良く使いやすい印象でした。
あなたが「ダイワ リーディングより価格は抑えたいけど、性能もこだわりたい」と感じたら、この竿になるでしょう。とりあえずで、ミドルクラスとしてこちらを選んでも十分に活躍してくれるでしょう。
シマノ ライトゲームXR 73 MH195(LEFT /RIGHT)( 錘負荷20〜80号)
ハイエンドで紹介した「シマノ」のロッドです。
ただ、この竿も最初に紹介したのハイエンドの竿のメーカー(シマノ)で、右手/左手用を選ぶ必要があります。(他のメーカーなら、両手兼用が主流です。)
ミドルクラス
ダイワ アナリスター ライトゲーム 73M-190•K( 錘負荷15〜80号)
ダイワのミドルクラスです。
評判が良くて人気があり、船釣りでよく見かける印象です。
シマノ ライトゲームSS 73 MH190(LEFT /RIGHT)( 錘負荷20〜80号)
シマノのミドルクラスです。
ただ、この竿も最初に紹介したのハイエンドの竿のメーカー(シマノ)で、右手/左手用を選ぶ必要があります。(他のメーカーなら、両手兼用が主流です。)
シマノ ライトゲームBB 73 MH195( 錘負荷20〜80号)
上記の一つ下のクラスになります。
このシリーズは、両手のどちらでも使用可能です。
エントリークラス
コストを抑えたいならこちらが候補になるでしょう。
ただ、あなたが少しでも「性能もこだわりたい」と思うなら、上にすると満足度があげられるでしょう。
アルファタックル ライトゲームFT 73-190M( 錘負荷20〜80号)
コスパの良いメーカー「アルファタックル」の竿です。
このメーカーは、シマノやダイワほど有名はないものの、ほとんどの人が知っているメーカーです。
他の有名メーカーより価格を抑えつつも高性能な竿を出しており、
ハイエンドの高性能な竿もラインナップしつつ、リーズナブルな竿も揃っています。
このライトゲームGTはリーズナブルな汎用竿で、エントリークラスの価格帯ながら、ミドルクラスに近い竿といえるでしょう。
あながた「そこまで性能にはこだわらないけど、しっかり使える竿が欲しい」と思ったら、こちらがよいでしょう。
シマノ ホリデーマリン 73 30-210( 錘負荷20〜80号)
シマノの中で、もっともローコストで購入できます。
東京湾には少し長く取り回しは下がりますが、許容範囲でしょう。
予算を優先するなら選択肢になるでしょう。
まとめ
この記事では、次のことをお伝えしました。
- 東京湾を一本で楽しむなら、
万能竿、7:3調子、錘負荷20〜80号、長さ1.9m程度、素材カーボン高比率。 - 汎用竿は、高性能なものを買っておくと上達後も様々な場面で活躍しやすいこと。
- 東京湾オールランドロッド9選
また、この竿に組み合わせる東京湾の万能リールは、次のページで解説しています。
→【東京湾の船釣り】2つのリールでほぼ全て狙える、おすすめの機種
竿9選は似た名前で混乱しやすいので、並べて再掲します。