【船釣りの糸絡み】おまつりの原因と対策7つ:簡単で、トラブルも回避

2_船釣りへの挑戦
のびるら
のびるら

「釣りをしたいけど”おまつり※”しないか心配、何に注意すれば良いのかな。

トラブルを避けるために、知っておく方が良いことはあるかな。」

と考えていませんか?

 ※おまつり:水中にいれた糸や仕掛けが、他の人と絡むこと

お祭りがトラブルになりやすい理由は、「原因が、目で見えやすい」からです。

隣の人からも見えるので、対策していないと「あなたが原因」と思われてしまいます。

一方で、あなたがこの記事を読むと、「見ながら簡単に対応できる」と感じるでしょう。

具体的な内容は、次のとおりです。

  • おまつりの原因と、予防する7つの方法(=トラブルが避けられます)
  • それでも、おまつりした時の対応(初めてでもできる方法)

なお、この記事は次の経験に基づいてます。

  • 関東在住、30年の釣り経験があり、130種類以上の魚を釣ってきました。
  • 現在は、仕事と子育て(小学生と幼児)をしつつ、東京湾で年間100匹~300匹釣っています。
  • 小学生のときに祖父から釣りを学んでから、ほぼ毎週父にせがんで一緒に行ってました。
  • その結果、エサ、ルアー、フライと様々な釣りで、岸や船から楽しんでいます。

おまつりの原因と、予防する7つの方法

原因は、「糸の角度」、「投入・回収のタイミング」が周りとズレるからです。

そこで、次の7つを行うことでおまつりが予防できます。

  • 予防1:糸の太さ、オモリの重さを周りと合わせる。
  • 予防2:投入時に、糸を押さえる。
  • 予防3:オモリの着底は、短時間に。
  • 予防4:投入・回収は、隣人の糸の角度を見ながら。
  • 予防5:隣人に魚が掛かってたら、投入・回収を止める。
  • 予防6:魚が掛かったら、早めに回収。
  • 予防7:乗船したら、隣に挨拶。(トラブル防止に効果抜群)

全てをやらなくても、やった分だけ効果があります。

あなたが「できそう」と思うものをやるだけで、周りは「配慮してくれている」と分かります。そして、気持ちがよい釣り環境になるでしょう。

加えて、友人や家族と行ったときに、見ながらアドバイスができるので、一緒に楽しい時間が過ごせます。

予防1:糸の太さ、オモリの重さを周りと合わせる。

「糸の太さ」と「オモリの重さ」はおまつりに直結するので、船ごとに範囲が必ず決まっています。

初めてだと不安に感じるかも知れません。
簡単で確実な対策は、「竿やリールをレンタル」することです。

多くの船宿(船を出すお店)では、道具の一式をレンタルでき、お店側で適したものを用意してくれます。(仕掛けは数百円で購入)。
数に限りがあるので、乗船予約の電話で確認しておくと安心です。

あなたが乗船予約の電話の際に「道具のレンタルと、仕掛けの購入を希望します。」と伝えるだけで、解決できます。

レンタルせずに持参するなら、予約の電話の際に「糸の太さと、おもりのおもさはどれくらいですか?」と確認して、回答の範囲で準備します。

「なぜ、太さや重さが、おまつりの原因になるのか?」と思ったら、次の図を見てください。
海流の影響で、糸の角度が変わることで、おまつりします。

予防2:投入時に、糸を押さえる。

出ていく糸のスピードを調整することを「サミング」といい、次の図のように操作します。(親指で触れるだけ)

【解説図】サミングのやり方

サミングが有効な理由は、下図のとおりです。
サミングすれば、下図(赤色)のとおり、糸が張って(直線)で沈みます。
サミングしないと、下図(青色)のとおり、糸が膨らんで(曲がり)、回収時に隣と絡みます。

【解説図】サミングの効果

「抑える強さに迷う」と感じるかも知れません。
最初は「親指が常に当たる状態で、糸がスムーズに出る範囲で強めに抑える」と効果的です。
慣れてきたら、あなたと隣人の糸の角度を見ながら「角度が大きくズレない範囲」で、抑える力を弱めます。そうすることで、トラブルなくスピーディーに落とせます。

予防3:オモリの着底は、短時間に。

オモリが着底したら、リールをすぐに巻いて、下図(赤糸)のとおりオモリを底から離します。

船は常に流されています。オモリを着底したまま時間が経つと、下図(青糸)のとおり糸は斜めになっていきます。
その結果、隣人と糸がクロスし、おまつりします。

【解説図】底からオモリを離す効果

「カサゴなど、そこを狙う魚はどうするの?」と思うかも知れません。

その場合、「オモリを5〜15秒くらい着底。糸を巻いて、底から数メートル離す。その状態で待っていると、糸が垂直になってきます。そしたら、また着底5〜15秒ほど着底」を繰り返します。

これを繰り返すことで、おまつりが防止できます。
ただし、潮が早い時には、底から上げても糸が垂直になりません。その時は、一度回収しましょう。

「時間がもったいない」と思うかも知れませんが、仕掛けの大きく移動して広い範囲が探れるので、釣れる魚が多くなります。

予防4:投入・回収は、隣人の糸の角度を見ながら。

あなたが仕掛けを投入又は回収をする前に、両隣の糸の角度をみてタイミングを測ります。

「投入」と「回収」で若干異なるので、分けて解説していきます。

なお、ここでは、「両隣とも、魚が掛かっていないことが前提」です。(魚が掛かっているパターンは「予防5」でお伝えします。)

【投入のタイミング】

両隣の糸の角度は、4パターンに分けられます。

まずは、投入ができる 2パータン」が下図のとおりです。
両隣の糸の延長方向を避け、投入します。

【解説図】隣人の糸が、手前に寄っている場合
【解説図】隣人の糸が、奥に寄っている場合。

次に、投入しない 2パターン」です。
「待つのは、じれったい」と感じるかも知れませんが、待つ時間は短いです。おまつりして、仕掛けや時間を浪費することを考えると、待つ方が賢明と感じるのではないでしょうか。

【解説図】投入待つパターン1:両隣がおまつり
【解説図】投入待つパターン2:隣のいずれかとおまつり

【回収のタイミング】

こちらは3パターンに分かれます。

船が風で流されたり、潮流で、仕掛けを投入した後も糸の角度が変わります。

そこで、回収のタイミングは「あなた糸と、隣人の糸の角度の変化」を見ながら調整します。

最初に、回収する 2パターン」が下図のとおりです。

【解説図】回収した方が良い状況

「先に入れているから、回収したくない」という気持ちが湧くのではないでしょうか。
とはいえ、船は海流や風の影響で角度は常に変わります。
そのため、「先に投入した人が、後発の人たちからどんどんズレる」ことになります。
長く置くと、3人以上と絡んで仕掛けが使えなくなるかもしれません。
スムーズの釣りや、餌の確認と思って回収したほうが、次の投入で魚が釣れる確率を上げられるでしょう。

次は、回収しない 1パターン」です。

普段よりおまつりの可能性は高くなってしまいます。しかし、潮が早い時は常にこうなるので、避けようがありません。
みんなが同じ状況なので、「仕方がない」「おたがいさま」になります。

予防5:隣人に魚が掛かってたら、投入・回収を止める。

止まる理由は、トラブル回避です。

例えば、隣人が掛けた魚をあげている最中に、あなたが投入して絡んだ場合、隣人が「もう少し待ってくれれば」と感じるのが人情でしょう。

回収も同様です。

本当は、あなたが原因とはいえません。
しかし、「待って(止まって)絡む」のと、「回収して(動いて)絡む」のでは、
心理的に前者(止まった方)がトラブルが回避できやすいでしょう。

もし、あなたが投入済みなら、そのまま回収せずに待ちます。

特に、隣で掛かっている魚が大きいときほど待ちましょう。
釣り上げたい気持ちが大きいので、トラブルのリスクが高めになるからです。
それだけでなく、大物は移動距離が長いので、おまつりしやすいです。

もし、船長や隣から「先に回収してくれませんか」と頼まれたら、素早く回収しましょう。

また、隣の人が魚が掛かっていてもドンドン巻いているなら、あまり気にする必要はないでしょう。糸が直線になるので、おまつりするリスクも低いです。

予防6:魚が掛かったら、早めに回収。

魚が来たときは、ゆっくりでも巻く(巻くのを止めない)とおまつりが予防できます。

理由は、止めたままだと魚は横(水平方向)に動いて、隣とおまつりしやすいからです。

リールを巻けば、魚は上に引っ張られて、下に潜ろうするので横への動きが減らせます。

例外は、大物なら糸が切れないように慎重に巻きます。魚が強く引っ張ったときには、巻くのを止めても構わないです。
「大物なら慎重にやりとり」は当たり前として、周りも理解してくれます。

予防7:乗船したら、隣に挨拶。(トラブル防止に効果抜群)

船では席が決まっているので、隣の人は一日同じです。

隣の人とおまつりする可能性が最も高いので、結果的に同じ人と絡むことが多いです。

挨拶せずに、おまつりがきっかけでコミニュケーションを取るのは、気まずいスタートになりがちです。

反対に、あなたが両隣に挨拶しておけば、相手も「声を掛けやすい印象」を持つでしょう。そして、おまつりのときに協力しやすくなります。

あなたにとっても、挨拶で隣の人の表情を一度見えるので、不思議と安心感がでます。

挨拶は「本日は、よろしくお願いします。」の一声でも十分です。
あなたが初心者なら、「本日はよろしくお願いします。まだまだ不慣れで、迷惑かけたらすみません。」と挨拶すれば、何かあったときにフォローしてくれる方も出てくるでしょう。

挨拶のタイミングは、船に乗り込んだ時(又は相手が乗り込んできた時)がベストです。
もし、そのタイミングを逃したら、船が岸から離れるタイミングもあります。
「釣りが始まるぞ」というワクワクした雰囲気になるので、お互い声が掛けやすいです。

2 初心者向け「おまつり対応」

次の段階で対応します。(各詳細は後述します)

  • まずは、おまつりの相手に声を掛け、一緒に回収します。
  • 相手が対応してくれそうか、様子をみます。
  • ほどけない場合、諦めて仕掛けの糸を切ります。
  • お互い対応が無理なら、船長に力を借ります。
  • 最後に、お礼を言います。

読むと人任せに感じると思いますが、そうはなりません。

なぜなら、おまつり中は相手も釣りができないので、「早く解消することだけ」を考えているからです。特に経験者ほど、「自分が対応して早く釣りに戻りたい」という気持ちがあります。

釣りに慣れている人にとっては、ただ待つよりは対応する方が気が楽です。加えて、「早く取れる」「綺麗に取れる」「糸に傷めない」などのメリットも考えているでしょう。

反対に、待つだけのあなたからすると「任せて申し訳ない」という気持ちが出てきます。
これは、取れた後の「ありがとうございます」とお礼に代えれば十分ではないでしょうか。

それでは、各段階の詳細は次のとおりです。

まずは、おまつりの相手に声をかけ、一緒に回収します。

気づいた時点で、「すみません。おまつりしたようです。」と声をかけます。
最初に挨拶をする理由は、おまつりの相手を特定するためです。

おまつりした際には、悪化しないように仕掛けを同時に回収するのが理想です。

回収前に、あなたととおまつりしている相手を把握すれば、タイミングを合わせて回収できます。

回収の際は、急ぐ必要はないです。同調しやすいように、一定のペースで巻いていきます。

相手が対応してくれそうか、様子をみます。

あなたと相手のどちらが回収するか気になるところだと思います。

【相手が回収してくれる場合】

相手が釣りに慣れている様子なら、お任せします。回収している時に、相手から「糸を出して」と声を掛けられた場合、「(相手が)自分でやる」という意味になります。

相手が対応している時は自分の席で待ち、相手から指示があれば協力しましょう。
例えば、「糸を引っ張ってください。」「この針を持ってください。」などを頼まれることが多いです。

【自分が回収した場合】

絡んでいるのが針一本だけなど、すぐ取れそうなら、自分でチャレンジします。もし簡単に取れない場合は、相手に「綺麗に取れる自信がないです」とすなおに伝えます。

もし、相手方がすぐに来てくれたら任せします。

もし、自分でチャレンジする場合も、長くて2〜3分程度で諦めた方が良いです。時間が掛かるだけでなく、船酔いするリスクが上がります。

お互い対応ができない場合は、後述の「船長に力を借りて」して対応します。

ほどけない場合、諦めて仕掛けの糸を切ります。

もったいないですが、早めに諦めた方がお互いにとって負担が減ります。

相手が対応してくれているなら、様子を見て「糸を切って良いですよ」と言います。
もし、相手から「糸切って良いですか?」と聞かれた場合、「どうぞ」と答えます。

早めに諦めた方が良い理由ですが、時間が掛かるほど糸が痛みやすいからです。
ほどいている間に針先で糸を傷つけたり、糸がちぢれます。その仕掛けで大物がきても切れてしまいます。また、ちぢれた部分は乱反射して魚が警戒して、釣れる可能性も下がります。
新しい仕掛けに交換した方が、あなたの魚が釣れる確率をアップできます。。

注意点として、切るのは下図の「透明な糸(青色)」だけです。リールから出ている「不透明な糸(赤色)」は、高価なためよっぽどのことがない限り切らないようにします。

【解説図】糸を切る場所

お互い対応が無理なら、船長の力を借りましょう。

自分がおまつりに対応する場合、「すぐ取れる」「仕掛け(透明な糸)を切る」以外は、船長に力を借りましょう。

船の操縦席まで行って、船長に「初心者で、おまつりが解けない。どうしたら良いか。」と声を掛けます。

船によっては「中乗り(なかのり)」(船長のお手伝いさん)がいて、対応してくれます。
なお、中乗りさんがいるかどうか分からない、ということも多いです。船長に相談すれば中乗りさんにつないでくれるので、船長に声を掛ければ問題ないです。

最後に、お礼を言います。

解消したら、関わった人に全員に「すいません。ありがとうございました。」とお礼を言います。

自分が対応した場合は、「とれました。」と明確に伝えるとともに、「すいません。ありがとうございました」と挨拶すると、以降の気まづさを避けられます。

なお、おまつりときには「あやまらない」という話もあるようです。
確かに、自分が原因でないのに謝るのは釈然としないかもしれません。
あなたにとって、その後に気マズさを感じるのはどちらでしょうか。気まずいと釣りが楽しめないです。

例えば、仕掛けが切れたぐらいでは責任問題に発展することはほぼなく、見たこともないです。
万が一、相手方に竿やリールの破損がおきたなら注意が必要かもしれれません。ただ、それ以前に、そのような場面に出くわすこと稀ですし、そもそもあなたが対応をしていないなら責任も発生しないです。

「おまつりはお互い様」と考えたうえで、気持ちとして「すみません」と添える程度でも構いません。そして、気持ちよく釣りを再開するという考え方もあるのではないでしょうか。

まとめ

この記事では、船釣りのおまつりに関して、以下を解説してきました。

  • 釣りのおまつりの原因7つ
  • 原因に対応すれば、周りにも配慮が伝わりトラブルが避けられる
  • おまつりした場合でも、協力を得ながら対応したほうがトラブルにならないこと
  • 気持ちの問題が大きく、乗船時、おまつり発生時、解消時の挨拶が大切なこと
  • 自分の仕掛けの交換を前提とした方が気が楽なこと。

ちなみに、今回解説した方法は「人の力を借りる」場面が多いです。しかし、慣れている方からみても「そういうものだしね」と共感してもらえると思います。

「任せて当然」という趣旨ではありません。「慣れている方の力を謙虚に借りましょう」という趣旨です。(対応の様子を見てると、あなたの処理スキルも自然と上がります。)

まずは、本記事の内容でも十分なので、安心してください。おまつりへの不安感がなくなれば、純粋に楽しめます。そして、船釣りに行けるあなたなら、都会に住みながら「生き物」「自然」「食」を楽しむ機会が作れます。

なお、「自分の仕掛けの糸絡みに悩む」という方向けに、次の記事で解説しています。
【おまつり】船釣りで糸絡みを防ぐ7つの方法(初めてでも簡単)

他にも、本ブログでは、このような初心者向けの記事を中心に紹介していく予定です。記事の一覧は次のサイトから確認できます。参考になるものがあれば幸いです。

 →本サイト全体の目次

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