#305_岸釣りで釣れる魚②:知られてないけれど美味しい魚

3_岸釣りへの挑戦

 この記事では、東京・神奈川での岸釣りで出会う珍しい魚の種類、その特徴、味、そして料理方法を紹介します。

 お店であまり見かけない魚ですが、基本的には美味しいです。
 にも関わらず、扱いにくい理由と思われる特徴にも触れていきます。
 そのため、「なぜ売られていないのか?」という疑問の答えにもなり、豆知識としても楽しめる内容と思います。

 興味を持った魚があれば、釣りの経験として食べてみることをおすすめします。

 扱いにクセがあっても、釣り特有の新鮮さは有名な魚と同じため、食べれば驚くほどの美味しいです。
 また、人気のない魚はなぜか大きなサイズの魚が釣れることが多く、食べ応えもあります。

1 キュセンベラ

【特徴】

 主に砂地に生息する魚で、ウキ釣りや投げ釣りを行うとよく釣れます。
 見た目は緑色のオウムを思わせる薄い色合いで、鮮やかな魚です。
 しかし、その鮮やかさから食用としては美味しそうに見えない印象も持たれることがあります。

 しかし、キュウセンベラは食べると美味しく、実際に地域や人によっては好んで食べられています。
 強いて気になる点を挙げるならば、三枚おろし後に身に残る骨が硬く、除去が必要であることです。
 それでも、非常に美味しいため、私自身もメインで狙っていた魚の数があまり釣れなかった時に、大きめのキュウセンベラが釣れると喜んで持ち帰ります。

【味】

 シロギスに似た上品な味で、シロギスとの比較でも遜色がありません。
 身が水っぽいとの評価もありますが、反面ではフワッとした食感にも繋がり、好みの範疇だと思います。
 例えば、天ぷらであれば、揚げたてはふわっとしてとても美味しいですが、しなっとなるのも早いため、食べるタイミングにより評価が分かれるとかもしれません。

【料理】

 天ぷらや煮付け、刺身と、どれでも美味しいです。
 実際に、何人かに食べてもらったことありますが、美味しいという感想がほとんどです。

 上記の三枚おろしで残る骨に関して、煮付けにすれば食べながら取りやすいため、デメリットにはなりにくいです。

 上品な味のため、薄味の煮付けにしても美味しく、日本酒とよく合います。

【釣り方】

 投げ釣り、ウキ釣り、サビキ

【時期】

 夏〜秋

2 ササノハベラ

【特徴】

 キュウセンベラと同じベラの仲間ですが、生息場所や体型・色合いが大きく異なり、岩場で釣れることが特徴的です。
 この魚は赤を基調とした少し派手な色をしており、顔つきがキツネに似ていると感じられます。

 味は非常に良いのですが、体型的に頭やお腹が大きく、特に小さいサイズの場合は取れる身が少なくなります。
 また、キュウセンベラと同様に骨が硬く、三枚おろしにした場合は取り除く必要があります。

 一方、大きめの個体であれば、十分な身が取れるため、上記のデメリットもそれほど気になりません。
 私自身も、白身の新鮮な刺身を楽しみたい時には、大きなササノハベラを持ち帰ることがあります。

【味】

 味は少し淡白ですが、旨味は十分に感じられます。
 3枚卸しにした身は厚目で、弾力もあるため、刺身として非常に美味しいです。
 この魚を初めて見る多くの人は、食べることをあまり考えないようですが、一度味わうとその美味しさに驚かれる方が多いです。

 従って、見た目が唯一の難点といえ、味自体は非常に良いと感じます。
 私自身の感想としては、養殖の鯛と比較しても、ササノハベラの味は遜色なく、釣りたての新鮮さがあることで少し上だとさえ感じています。
 とはいえ、ササノハベラはサイズが小さめなので、取れる身の量や調理の効率を考慮すると、養殖鯛の方が利点が大きいです。

 ちなみに、ササノハベラはカワハギと同様、甲殻類や貝類を主食としており、そのため内臓はカワハギと同じく臭くなりやすいのです。
 カワハギ並みに良い餌で育っているとも言え、これが美味しさの秘密なのかもしれません。

【料理】

 皮付きの刺身を、皮目に1cm刻みで格子状の切れ目を入れて湯引きや炙りにすると、非常に美味しいです。
 身だけでは淡泊ですが、皮の旨味が加わることで、他の有名な魚と比較しても引けを取らない美味しさです。
 なお、煮付けも美味しいのですが、キュウセンベラに比べて出汁が染みにくく、少し淡泊な印象を受けます。

【釣り方】

 投げ釣り、ウキ釣り

【時期】

 春〜秋(ほぼ周年)

3 アイゴ(バリ)

 ヒレに毒針があるため、扱いに注意が必要です。
 食べる際に持ち帰る際は、すべてのヒレをハサミで切り落とせば安全です。

 ヒレの位置としては、尾、胸、背、腹など複数の場所に存在しますが、全てのヒレに毒針があるわけではありません。
 しかし、全てのヒレに毒針があると考え、生きている魚を扱う際は基本的に手で触れないようにした方が安全です。

 また、持ち帰る場合のヒレを切り落とす際の注意点として、背鰭の最前部には前方向に小さい棘があり、これが見落とされることがよくあります。
 この部分だけは特に注意して切り落としましょう。

【解説図】注意!アイゴの棘の位置

 トゲの毒が注目され、かつ、釣った時の臭いも強いことで良くない印象を持つ方もいますが、捌くと透き通った身が現れ、その味はとても美味しいです。
 また、身近な釣り場で大きなサイズが釣れることもあり、食べ応えも大きいです。

 個人的には、大きくて見た目が綺麗(匂いが弱い)アイゴが釣れたら、持って帰ることが多いです。

【味】

 新鮮なものの刺身は、ほぼアジに近く、歯応えもあってとても美味しいです。
 個人的にも食べるたびに意外に感じますが、味をさっぱりした感じで人に出してもとても評判が良いです。

 食べる場合は現場での処理が重要で、釣ってすぐにヒレをハサミで落としますが、内臓もニオイの原因のため、合わせてそのまま頭と内臓を除去した後にクーラーボックスに入れています。
 人によっては、皮も臭いとして、皮もすぐにとってビニール袋に入れていましたが、個人的には皮から臭いが移ることは少ないと感じます。

【料理】

 小さいと、ヒレと除去が難しいため、小型には触れないことをお勧めします。
 一方で、30センチ以上の大物が釣れることもあり、魚の扱いに慣れてきたら、一度は持ち帰って食べることをお勧めします。
 大きい個体は、刺身がお勧めです。

 皮もニオイの原因となるため、料理する際は三枚おろしの前に皮を剥がす必要があります。
 なお、現場で匂い対策ためにヒレと内臓を取り除いておけば、結果的に家で簡単に皮が剥げるため、捌きやすいです。

 煮付けも美味しいと聞いたことがありますが、私自身、刺身で食べた記憶しかなく、焼いた時のおいしさは不明です。
 おそらく、生姜を効かせて煮込んだら美味しいと思います。

 毒針と内臓の処理の手間がない魚だったら、とても喜ばられる魚だったと思うほど美味しいです。
 ちなみに、沖縄ではカーエー(ゴマアイゴ)という同じ種類の魚は非常に人気です。

 なお、うんちく程度ですが、内臓が強烈に臭いですが、それを珍味(ゼンマイ)として食べることもあるようです。

【釣り方】

 ウキ釣り

【時期】

 春〜秋

4 ギンポ(ダイナンギンポ)

【特徴】

 ドジョウのような見た目で、岩場に生息していることが多いです。
 模様柄からウツボの幼魚と間違えられることがありますが、顔をよく観察するとハゼのようなのんびりした顔つきで、可愛らしいです。

 体型の特性上、捌き方はうなぎに似ています。
 魚の捌きに慣れてくると、骨の位置が分かりやすく、意外と簡単な印象です。

【味】

 筋肉質でプリプリとした食感が特徴で、火を通しても味わいは濃厚です。
 天ぷら専門店などでは高級魚として取り扱われることもあります。
 実際に、鮮魚売り場で見た時には、生のギンポは、同程度の重さの穴子(ギンポ数匹で穴子1匹分の重さ)と価格がほぼ同じでした。

 食べるとその独特な歯応えと旨みが際立ち、非常に美味しいです。
 ドジョウ、穴子、うなぎのような味わいに似ていますが、どれとも完全には一致せず、独自の美味しさを持っています。

 ちなみに生での食用経験はないため、刺身の味については不明です。 

【料理】

 天ぷらでの調理が特におすすめです。
 蒲焼きのように甘辛く焼いても美味しそうですが、食べる機会も少ない魚ですので、シンプルな味付けでその独特の味を楽しむのがおすすめです。

【釣り方】

 投げ釣り、ぶっ込み釣り

【時期】

 夏〜秋

5 トラギス

【特徴】

 名前の中の「キス」の通り、シルエットはキス(シロギス)に似た細長い体型をしていますが、顔つきはハゼに近いです。

 トラギスにはいくつかの種類が存在するようですが、どの種類も味はシロギスに似ている印象でした。
 ただし、骨が硬い点が異なり、小さなサイズでも骨を除去しないと食べにくいという特徴があります。
 そのため、骨を取り除く過程で身も減ってしまい、同じサイズのキスと比べると、手間の割には食べ応えが少ないと感じることがあります。

 それでも、その味わいの良さから、大きなサイズを捕れたり、他の魚の量が少ないと感じた時には、持ち帰って調理する価値があります。

【味】

 上品な味わいが特徴で、キスやハゼのような美味しさがあります。
 骨が硬いという手間を除けば、他の魚と比べても味は劣らないので、ぜひ食べてみることをおすすめします。

【料理】

 三枚おろしの後、残る骨を除去してから天ぷらに調理するのがおすすめです。
 また、塩焼きにしても上品な風味が楽しめます。
 サイズが小さくて食べにくい部分もありますが、骨は取りやすいです。
 また、身の風味も良いため、日本酒とともに楽しむと、素晴らしいおつまみとなります。

【釣り方】

 投げ釣りなど

【時期】

 春〜夏(深場では周年)

6 メゴチ

【特徴】

 白身で上品な白身で非常に美味しいのですが、稀に独特のカルキのような臭いを持つ個体がいることがあります。
 また、頭部が大きく身が細いため、捌くと得られる身は少ないです。
 また、エラに棘(毒はなし)があるため、取り扱う際には注意が必要です。

 以上の点から、美味しいものの、当たり外れがある魚です。

【味】

 前述のとおり、シロギスやハゼに似た味わいを持った、非常に美味しい魚です。

【料理】

 天ぷらが美味しいです。

【釣り方】

 投げ釣り

【時期】

 春〜夏

7 ネンブツダイ(通称:キンギョ)

【特徴】

 成魚であってもサイズが小さく、約8cm程度です。
 頭部が大きい上、内臓の容量も多いため、捌くと得られる身は非常に少ないです。
 加えて、その金魚のような見た目から、一般的に食用とはみなされにくい傾向があります。

 似た魚として「オオスジイシモチ」がいますが、これも多くの場合「キンギョ」として区別されずに扱われることが多いです。
 ちなみに、料理の結果としては、両者の味や扱いに大きな違いは感じられないと思います。

【味】

 捌いて食べると、特に不味いわけではありません。
 もしサイズが大きければ、十分に美味しく食べられると思いますが、小ささから味の特徴を感じにくいのが実情です。 

【料理】

 刺身としても美味しいですが、他の魚と比べて特別に優れているわけではありません。
 サイズが小さい割には内臓の部分が大きく、捌く際に身に内臓の臭みが移ることがあるので注意が必要です。

 情報として、開きにしてカリッと焼けば、良いおつまみになるとのことです。

【釣り方】

 サビキ、ウキ釣り

【時期】

 夏〜秋

8 ウミタナゴ

【特徴】

  防波堤などで大きめのサイズが釣れることがあります。
 一般のお店でも手頃な価格で取り扱われており、白身でさっぱりとした味わいが特徴です。
 体高が高く食べごたえがあるため、他の魚が少ないときには喜んで持ち帰る魚です。
 その引きの強さと美味しさから、他の魚が釣れないときであれば狙う価値がある魚です。

【味】

 上品かつ淡白な味わいすが、鯛などの有名な魚と比べると、少し旨みに欠ける印象を受けるかもしれません。
 それでも、釣りたてであれば、新鮮な状態での食感や、体型的に食べ応えがあるため、十分に美味しいです。

【料理】
 サッパリとした味と身質を活かして、刺身、煮付け、塩焼きと何をしても美味しいです。
 特徴が弱いとも言えますが、逆に言えば何をしても無難に美味しいとも言えます。

【釣り方】

 サビキ釣い、投げ釣り

【時期】

 夏〜秋

9 ヒイラギ

【特徴】

 体の表面が非常にヌルヌルしていることが特徴で、持ち帰って調理する際にも滑りが強くて扱いにくいです。
 体高は高いですが、側面は薄いため、捌いても取れる身が薄造りのようで、少ないです。

【味】
 淡白な白身です。

【料理】

 身の平べったさから料理の幅がかなり狭いです。
 3枚に下ろしてもほとんど食べ出がないため、ぶつ切りにして汁物に入れるなどのあら汁的な活用が現実的です。
 良いダシは出る一方で、それほど特徴的ではない印象です。

 個人的には、味はサヨリに近く美味しいのですが、その体型から身が薄くなりすぎて味を感じにくいという印象です。

【釣り方】

 投げ釣り、サビキ

【時期】

 春〜夏頃

10 まとめ

 本記事では、東京や神奈川に在住の方にとってアクセスしやすい三浦半島の岸釣りで、釣れる魚のうち、一般的なお店ではあまり見かけないけれども、美味しい魚を紹介しました。
 これらの魚はあまり知名度は高くありませんが、適切な調理方法で十分に美味しく楽しむことができます。
 ぜひ、釣りの魅力を味わいながら楽しんでみてください。

 また、前のページ「①:人気な釣り魚と、小さくても美味しく食べる方法」では、狙いやすく人気の魚を取り上げて紹介しています。
 小さな魚でも美味しく調理する方法も紹介しているので、合わせてチェックしてみてください。

※参考

 本ブログでは、釣りを趣味として深めていきたい方や経験者向けに、釣り方毎の詳細や、釣具紹介等を掲載していく予定ですので、ご覧ください。
 →本サイト全体の目次

 また、岸釣りの情報をまとめたカテゴリーページはこちらです。
 →岸釣りへの挑戦

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