この記事では、東京・神奈川で岸釣りにチャレンジしたい方向けに、有名な魚の種類を紹介します。
岸釣りの魚はサイズが小さくても、その新鮮さを生かして食べることで、独特の美味しさを体験できます。
岸釣りではアジやシロギスなどの人気の魚はよく釣れますが、市場であまり見かけないような小さい魚も多く釣れます。
そのため、どのように料理すればよいか迷う方も多いでしょう。
こちらでは、小さいサイズの魚の扱いも含めて紹介していきます。
また、連載では「② 無名だけど、美味しい魚」も紹介していますので、併せてご覧ください。
1 アジ(マアジ)
スーパーでも非常に有名な魚です。
群れで沿岸を回遊しているため、身近で釣りやすい魚と言えます。
しかし、アジが岸に寄ってくるタイミングでの釣りが必要となります。
そのため、場所や時期に関しては、近所の釣具屋さんなどで情報を入手してから釣りに行かないと釣ることが難しいです。
【味】
釣りたてのアジは、大きさに関わらず、しっかりした味がありながら臭みがなく、身がプリッとしており、非常に美味しいです。
【料理】
小さいサイズのアジは、鱗・内臓・エラを取った後、頭ごと丸揚げにして食べるの有名です。
実際に美味しくいただけますが、揚げる時間が長いため魚の風味が飛び、その新鮮な味わいが少し損なわれることがあります。
そのため、新鮮なうちに、可能な限り多くのアジを三枚おろしにして刺身や天ぷらで食べると、より感動の味わいが得られます。
例えば、数匹は刺身にして、残りを丸揚げにすれば、酒のつまみとして最高です。
なお、大きいサイズのアジの調理方法についても、こちらのページで紹介していますので、併せてご覧ください。
【釣り方】
サビキ、ウキ釣り
【時期】
初夏〜晩秋
2 シロギス
シロギスは、天ぷらの具材として有名です。
しかし、生の状態でスーパーに並ぶことは少なく、価格も少し高めです。
一方で、釣りをすると比較的簡単に釣れる上、鮮度も高くて非常に美味しく、この点もシロギス釣りの魅力の一つと言えます。
【料理】
サイズに関わらず、天ぷらにすると美味しいです。
小さいものは、鱗・頭・内臓を取って丸揚げすることもできます。しかし、シロギスは長く揚げると風味が飛びやすいため、できる限り骨を取って短い時間で揚げたほうが、より味を楽しめます。
また、油と相性が良く、アヒージョ(オリーブオイル等で煮る)も抜群で、この場合は骨が気になりにくいです。
アヒージョならオイルと一緒に冷凍保存もできるため、たくさん釣れた場合は保存用にもお勧めです。
なお、大きいサイズも含めた食べ方はこちらで紹介しているため、併せてご覧ください。
【釣り方】
投げ釣り、(稀に)ウキ釣り
【時期】
春〜夏
3 ハゼ
ハゼは江戸前天ぷらの高級魚とされとても美味しいですが、時期と場所が合えば手軽に沢山釣れる魚でもあります。
ただし、釣れやすい地域は限定的です。
近所の釣具屋さんにハゼが釣れる場所を尋ねてみて、近くに良い場所があれば、ぜひチャレンジしてみてください。
【味】
見た目は茶色で地味ながら、揚げ物にするとふわふわの上品でしっかりした味わいが楽しめます。
さすが高級魚と言える美味しさで、シロギスよりもハゼを好む方も少なくありません。
【料理】
ハゼは、大きいものも美味しいですが、意外に8cm程度の小さいものも非常に評判が良いです。
特に、小さいものを鱗、頭、内臓を取った状態で揚げると、アジやシロギスに比べて火が骨まで通りやすく、ふわふわの身を骨を気にせずに楽しむことができます。
骨があると、骨から出るダシにより、味がしっかりと感じられます。そのため、天ぷらの衣の厚さも、骨が残っている場合は厚め、骨を取った場合は薄めに調整すると、それぞれの特長を生かせます。
なお、20cm程度の大きなハゼは刺身としてもお勧めされることがあります。個人的には加熱調理の方が美味しいと感じますが、新鮮なハゼの刺身は滅多に出会えるものではないので、大きなハゼを釣った際には、一度は刺身で試してみるのも良いでしょう。
【釣り方】
ウキ釣り、ミャク釣り、投げ釣り
【時期】
夏〜秋
4 カサゴ
煮付けや丸揚げで有名なカサゴは、お店で買うと少し高級な部類に入りますが、釣りでは釣れ易い部類です。
岩の間に住む性質上、根掛かり(針やオモリが岩に引っかかること)が多いですが、根掛かりを避ける技術を習得すると簡単に釣れます。
ただし、大きなサイズのものはなかなか釣れません。
その理由の一つとして、カサゴの成長速度が遅いことが挙げられます。そのため、小さいものや多量に釣れた際は、保護の観点からも、できるだけ放してあげてください。
【味】
カサゴの身はしっかりしており、長時間の煮付けでも身が崩れにくいです。
また、味も豊かなので、濃い目の味付けや長めに揚げても、その味は損なわれにくいです。
【料理】
カサゴは、味が染み込みやすく、小さいサイズのカサゴを濃い目の煮付けにしても十分に味わえ、熱燗や焼酎のような風味が強いお酒とも相性が良いです。
骨や頭からは良質なダシが取れるカサゴは、小さなものでも味噌汁に加えると絶品です。その豊富なダシのため、丸揚げも推奨されます。
カサゴの大きめのものは三枚おろしにして、その食感や味を直接感じられる刺身やソテーで楽しむことができます。
特に、刺身として食べた時の弾力とほんのりとした甘みは、カサゴの魅力の一つです。
また、新鮮なうちであれば、塩をベースにした薄味の調理をしても、カサゴ本来の風味を堪能でき、これもまた美味しいです。
【釣り方】
ルアー釣り、投げ釣り、ぶっ込み釣り
【時期】
周年
5 カワハギ
活き造りと肝和えで有名なカワハギは、岸際にいることも珍しくありません。ただ、大きな個体が岸近くで釣れることは珍しいですが、投げ釣りなどの餌釣りを行うと、時折、中型以上のカワハギが嬉しいサプライズとして釣れることがあります。
高価な魚ですが、場所や時期を選べば意外と簡単に釣れることもあります。
【味】
カワハギは非常に旨みが強い魚です。
捌いた後の頭や背骨を煮ると、良い出汁がとれます。
処理後の内臓は魚の中でも匂いが強い部類に入るので、できるだけ早めに処理することを推奨します
【料理】
新鮮なものは活き造りや肝和えが最もポピュラーですが、鍋料理にしても非常に美味しいです。
味噌との相性も良く、小さなカワハギを調理する際は、エラや内臓、皮を取り除いた後で味噌汁に加えると、とても美味しいあら汁が完成します。
さらに、少量の肝を加えれば絶品です。
【釣り方】
投げ釣り、ぶっ込み釣りなど
【時期】
春〜晩秋
6 メジナ
メジナは「グレ」とも呼ばれ、小さい個体は特に「コッパ」として知られています。
岸釣り、特にウキ釣りの「フカセ」というジャンルで、この魚を専門的に狙う方も多いです。
15cm程度の小さい個体は気軽に釣ることができ、本格的に狙えば岸からでも40cm近いサイズが釣れることが魅力です。
【味】
肉質は白くて淡白ですが、刺身にした場合、養殖の真鯛に近い味わいを持っています。
私の個人的な感想としては、刺身であれば、天然クロダイやマダイと比べると一歩劣るものの、養殖マダイよりは味が上だと感じます。
ただ、火を通すと、鯛とは異なる味わいに変わり、銀ダラに似た風味となり、濃い味付けが合います。
ちなみに、三浦半島の有名な釣り場で釣ったメジナは、一年を通して臭みがなく比較的美味しい美味しいと感じています。
【料理】
小さくても、体高が高く食べごたえがあるため、塩焼きや煮付けがおすすめです。
20cm以上のサイズの場合、三枚おろしが向いています。
生の状態での料理としては、刺身はもちろん、カルパッチョも絶品です。
カルパッチョの際には、薄く切り、オリーブオイルを和えた後、レモン、ニンニク、塩をトッピングすると美味しいです。
火を通した調理の場合、薄味よりもちり鍋や中華料理、アクアパッツァなどの濃い味付けが合います。
【釣り方】
ウキ釣り、サビキ釣り
【時期】
初夏〜冬
6 イワシ
イワシはお店でもよく見かける有名な魚です。
小さい個体は時折、岸近くに大量にやって来て、その際にはたくさん釣ることができます
【味】
アジと同様、釣りたてのイワシは抜群の美味しさで、購入したものとは明らかな違いを感じます。
一方、アジとは異なる部分として、イワシの身は柔らかく、鮮度が落ちるのが非常に早いです。
そのため、刺身で楽しむなら基本的には釣った当日のみとなります。
【料理】
小さなイワシは、アジと同様に、まずは刺身で楽しみ、残りは丸揚げが良いでしょう。
身が柔らかいので、手やスプーンで捌く方法もありますが、断面が荒れて酸化しやすくなり、臭みが強まることがあるため、良く切れる包丁での調理を推奨します。
強力な圧力鍋をお持ちの方は、煮付けにすると骨まで食べられ、美味しいです。
【釣り方】
サビキ、ウキ釣り
【時期】
初夏〜晩秋
7 サバ
小型のサバは、イワシと同様に、岸近くに大量に集まることがよくあります。
足元での釣りでもよく釣れるため、初心者にも手軽に楽しめます。
一方、大型のサバを狙う場合は、基本的にルアーやカゴを遠投しての釣りとなります。
【味】
小さいサバは味が濃く、サバ缶などの原材料としても利用されます。
生も非常に美味しいですが、寄生虫がいる確率も高いため、基本的には火を通して調理することをおすすめします。
▪️私自身もサバを生で食べる際には、対策を講じており、その方法を後に詳しく記載しています
【料理】
小さいサバは脂が少なく、ややパサっとした身質のため、丸揚げが最適です。風味が強いので、丸揚げだけでも十分に美味しいです。
大型のサバは、塩焼きや味噌にが美味しいです。
【釣り方】
サビキ、ウキ釣り、ルアー
【時期】
初夏〜晩秋
8 ワカシ
ブリの若魚で、小さいときは「ワカシ」と呼ばれます。
岸から釣る場合、特にルアー釣りでの狙いが多く、三浦半島の先端エリアで狙われることが多いです。
【味】
40cm程度の大きめサイズも釣ることができますが、成魚のブリに比べると、油のノリや味わいは弱めです。
生で食べると、プリプリの食感が楽しめ、非常に美味しいです。
【料理】
前述の通り、油のノリが少なめなので、刺身やカルパッチョでその歯応えや風味を前面に出して楽しむのがおすすめです。
焼く際は、薄切りにし、バターやオリーブオイルをたっぷりと使用することで、美味しく食べられます。
【釣り方】
サビキ、ウキ釣り、ルアー
【時期】
夏〜秋
9 まとめ
本記事では、東京や神奈川に在住の方にとってアクセスしやすい三浦半島での岸釣りで、狙いやすく人気のある魚をピックアップして紹介しました。
岸釣り初心者の方は、小さい魚が釣れることが多いかと思いますが、調理方法によっては十分に楽しめます。
ぜひ、釣りの魅力として味わってみてください。
また、本記事トップに紹介したページ「②無名だけど美味しい魚」では、一般的なお店ではあまり目にすることのない、しかし釣り上げたときの美味しさが特徴の魚をご紹介します。
味は格別に美味しいものが多い一方で、「なぜお店であまり見かけないのか」の理由も感じられ、トリビア的にも面白いと思います。ぜひ併せてご覧ください。
※参考
本ブログでは、釣りを趣味として深めていきたい方や経験者向けに、釣り方毎の詳細や、釣具紹介等を掲載していく予定ですので、ご覧ください。
→本サイト全体の目次
また、岸釣りの情報をまとめたカテゴリーページはこちらです。
→岸釣りへの挑戦