初めて釣具屋に訪れると、「なぜ釣具だけでこんなに種類があるのか」「これらの違いや必要性は何なのか」という疑問を持つ方も多いと思います。
本記事では、その疑問の背景となる多様性が必要な理由を解説します。
この記事が、釣り具の選び方のヒントとなれば幸いです。
(この記事は一例を示すものであるため、その点をご理解ください。)
連載では、本記事を基にした以下の内容も紹介していますので、合わせてご覧ください。
なお、実際の購入に関しては、次のページを初めとして、店員さんへの相談の仕方や、ネット通販との使い分けを連載で記載しているため、合わせてご覧ください。
→初めての釣具屋①:店員さんとの相談の仕方と事前のイメージ作り
1 釣りのシチュエーションに合わせた機能
釣りは、「自然の中で、釣り道具を使っていかに魚にアプローチするか」を考えることが醍醐味の一つです。
釣りの環境や魚の習性によって、必要な性能が異なります。
1.1 釣り場に合わせた機能
例えば、船釣りの環境は、スペースが限られている、遠くに投げる必要がない、深いところを狙うなどの特徴があります。
その結果、竿は1.7m〜3m程度が主流で、短いものが好まれる傾向にあります。
仕掛けも、深いところを狙えるように重いオモリ(50g〜500g程度)が使用されることが多いです。
一方、岸では、遠くに飛ばして広範囲の魚を探す、足元が岩場で引っかかりやすい、比較的自由に連れ位ができるなどの特徴があります。
その結果、5m程度の長い竿が使用されることが珍しくない一方、堤防など足場が良いとこでは1.5m程度の竿が使用される釣りも珍しくないです。
加えて、投げやすさを重視した仕掛けが使用されるため、竿を振りかぶって投げられる程度のオモリ(3g〜100g程度)が使用されることが多いです。
1.2 魚の習性の習性に応じた機能
魚の種類毎に居るところや、餌の食べ方等の習性が異なるため、それに適した道具が使われます。
居るところも、魚によって海面、海底、その中間といった違いがあります。加えて、海流の流れの速さや、砂地や岩場など好む環境が変わります。
例えば、カサゴなどの岩場の海底を好む場合、底まで沈みやすいが岩場に引っかかりにくい仕掛けが使用されます。また、釣れると岩の間に逃げる習性があるため、強めの竿が好まれます。
イワシやアジなどの群れる魚の場合は、群が集まるほど餌を食べるようになるため、たくさん釣ろうとした場合は、撒き餌を撒く道具を使用した仕掛けが多いです。
マダイなどの繊細な魚の場合は、仕掛けやルアーに船の揺れが伝わりにくいよう(頻繁に揺れると警戒する)、柔らかい竿が使われたり、安定しやすい仕掛けが使われます。
また、環境以外に、魚の大きさに応じて竿や糸の強度が必要となるため、大きさ毎に強度が異なる道具が必要となります。
そのため、例え同じ魚を狙う場合でも、時期や地域で釣れる大きさが異なるため、道具が異なる場合があります。
2 釣り具の仕様や特性
釣具は商品としても様々なニーズや好みを満たすためのラインナップが存在します。
2.1 価格帯に応じた仕様
同じ目的の道具でも、素材や開発費でコスト(価格)が変わるため、性能とのバランスが考慮された、異なる価格層の製品があることが多いです。
軽さ、強さ、耐久性(錆びにくい等)、安定性(製品のばらつきの少なさ)など、高品質を求めるほど高価になっていきます。
大企業の場合は、価格帯に応じた製品ラインナップを展開していることが多いです。
また、メーカーによってはリーズナブルなロッドや仕掛けを強みにしているメーカーもあり、これにより種類も増えていきます。
2.2 釣りをする方の趣向に応えるための仕様
釣りは、趣味のため、「釣りやすさより、扱う楽しみを優先したい」「軽さや繊細さを重視して、強度は下がるが、機能を特化させたい」「デザインの良い道具を使いたい」「プロと同じ道具を使いたい」などの好みを反映した製品が数多くあります。
正しい・正しくないではなく、釣りを通じて楽しむことが目的のため、本当に色々な製品があります。
例えば、「自分が欲しいものを作ったら、同じニーズの人が購入を希望して、結果的にメーカーになった」という例も珍しくなく、小さなメーカーでも良い製品を出していることも珍しくないです。
2 まとめ
本記事では、本記事では、釣具の多様性の背景を記載してきました。
本記事トップに記載の各連載では、さらに詳しく説明していきますので、ぜひ併せてご覧ください。
※ 参考
本ブログでは、釣りを趣味として深めていきたい方や経験者向けに、釣り方毎の詳細や、釣具紹介等を掲載していく予定ですので、ご覧ください。
→本サイト全体の目次
また、釣りを始めたい方向け情報をまとめたカテゴリーページはこちらです。
→1_釣りを始めたい方、本格的にしたい方向け情報