
「骨が切れて抜けない、身が崩れる、簡単に上手に抜く方法はないのかな。
めんどくさいし、骨抜きもないから代用方法を知りたい。」と思いませんか?
この記事を見ると、次のことが分かります。
- 簡単、綺麗に骨抜きするコツ
- 抜きやすい骨抜き器の見分け方
- 骨抜きを使わない方法(時間がないときも便利)
なお、この記事を書いている人は次のとおりです。
- 新鮮な魚を食べるのが好きで、釣った魚に限っても100種類ほど食べています。
- 魚専用の包丁を自分で研ぐなど、美味しく食べる方法もこだわっています。
- 妻は調理師として働いていた経験があり、2人で工夫しながら料理をしています。
- 釣りに限らず、飲食店やスーパーで珍しい魚や美味い魚を見つけたら、食べずにはいられません。
簡単、綺麗に骨抜きするコツ
「骨を抜く方向」が大切です。
骨は下図のとおり、尻尾側に向かって斜めに入っています。
そのため、抜くときは頭の方向へ抜くと、最小限の力で簡単に抜けます。

例えば、下図のようにマナ板の真上(垂直)に抜くのはNGです。
なぜなら、下図のとおり、骨が折れたり、身を崩します。
しかも、力がいるので簡単には抜けません。

骨の抜き方の大きな影響力
力が入らないことや、見た目のキレイさだけでなく、味に大きく影響します。
なめらかな表面は口触りが良く、臭みを感じさせません。
また、荒れると表面積が広くなり、酸化を早め、生臭さを発生する原因になります。
刺身を美味しく食べたければその影響は大きいです。また、その他の料理でも差を感じるでしょう。
また、キレイに取れないことは、骨の破片が残るリスクも高くなります。せっかく骨抜きしたのに、残念な気持ちになってしまいます。
効率化するために
抜く方向に加えて、次の3つのコツで、あなたはスムーズに骨を抜いて、魚の鮮度を守れます。
どちらも簡単なことですが、効果は大きいです。
- 骨の位置の確認方法
- 身の押さえ方
- 抜いた骨の置き場
それぞれ、詳しくお伝えします。
◯ 骨の位置の確認方法
骨は透明で見えにくいので、指の感触で探します。
そのとき、「指の動かす方向」が重要です。
頭から尾側に動かすと、下図のとおり骨が見つけやすいです。

◯ 身の押さえ方
骨を抜くときには身が崩れないように、下図のとおり骨の両サイドを指先で押さえます。

◯ 抜いた骨の置き場
抜いた骨は骨抜きにくっつきやすく、取れにくいです。
次の骨を取るときの邪魔になる、数が多くて散らばって料理に混入する、など厄介です。
そこで、乾いたキッチンペーパーを横に置いておいて、取るたびにそれに骨をくっつけましょう。
なお、水で流すのは、身を傷める原因になります。
骨を抜くたびに、骨抜きの水が身につくことになり悪影響は大きいです。身がふやけて痛みます。
乾いたキッチンペーパーなら、面積が広くてくっつけやすいです。
そして、まとめて捨てられて効率が良いので、身の鮮度を保てます。
抜きやすい骨抜き器
ポイントは、「握りやすいこと」と「たわまないこと」です。
力を効率的に伝えられる骨抜きが、作業を楽にしてくれます。
ただ、力を入れた時に「たわまないこと」が大切です。たわむと次の図とおり、骨を切る原因になるからです。

特に、新鮮な魚や大きな魚は、身がしっかりしているので骨が取りにくいです。
あなたが「力を入れると骨が切れる。骨はまっすぐ抜いてるはずなのに・・。」と感じているなら、あなたの技術は充分にもかかわらず、骨抜きが原因かもしれません。
信頼性の高い骨抜き器
上記のことを考慮したベストな骨抜きは、次の2つとなります。
どちらもペンチ型なので、よく使われるピンセット型より簡単に力が入り、強力に抜けます。
比較すると、つまむ力(ピンセット)は5〜10Kg程度に対し、握力(ペンチ)は25〜45Kgと5倍となります。
軽い力で握れば、全力でつまむよりも強い力で作業ができるます。そして、骨抜きを簡単にしてくれます。
ホクト骨抜き名人(HSB-7S)
ホクト骨抜き名人(HSB-8R)
ただ、初めて見ると「高すぎ」と思う人がほとんどでしょう。
実際に持つと、一生物にできるレベルの頑丈さや錆びにくさにを持つと感じるでしょう。
そして、外食分の費用を一度かければ、その後は家で効率的に美味しい魚が食べられます。
なお、2つのどちらを選ぶかですが、あなたは「値段が安いほう」にしても満足度が高くできるでしょう。
私自身、一種目は自分用、二種目は実家にプレゼントして使っていますが、両方とも使いやすくて快適です。
(参考)ピンセット型について
よく見る下のようなピンセット型も値段が高くないので、惹かれる方は多いでしょう。
そこで、ピンセット型の買うときの選び方をお伝えします。
最初に買うなら、上記のような安いものだと後悔を避けやすいでしょう。
ピンセット型の8つ(メーカー用、業者用含む)を買った経験がありますが、価格に関係なく全て「たわみ」、抜きにいと感じました。
観察してみると、ピンセット型は構造として「金属を曲げて挟む」ので、掴んだ部分の「たわみ」がどうしても発生するようです。
ペンチ型は高いので、「まずはピンセットタイプを買いたい」と思う人がほとんどでしょう。
そのため、最初は安さを優先して選ぶとコスパがよくできます。
ピンセット型でも魚の鮮度や種類によっては、十分に活躍します。
鮮度が悪い魚ほど骨が取りやすいからです。逆にいうと、鮮度が高くて美味しい魚ほど、ピンセット型だと「取りにくい」「汚くなって鮮度がおちる」などが起きやすいです。
そう感じた時には、ペンチ型を買うと活躍するでしょう。
骨抜きを使わない方法(時間がないときも便利)
骨抜きがないなら、包丁で対応できます。
先にデメリットを書くと、「身に切り込みを入れる」「身が小さく」ため万能とは言えません。
一方で、大きなメリットとして「作業スピードの大幅アップ」があります。
そして、あなたが知っておくと、骨抜きを持っていてもそうでなくても役にたつ方法でしょう。
具体的な方法は次のとおりです
包丁での代用方法
2つの方法があります。
- 骨を細かくする
- 切り落とす
骨を細かくする
下図のとおり、骨を細かく断つように、身の途中まで切り込みを入れます。
骨を細かくだけでも、違和感がかなり減らせます。
ポイントは、図のように切る角度を少し斜めにして、骨が細かく切れるようにすることです。
寿司屋などでも使われている方法なので、あなたがそれを意識して食べると、骨があっても平気なことに気づくでしょう。

ただ、大きい魚や骨が硬い魚だと、効果はありません。
種類とサイズが極端に限定されており、具体的には「アジやイワシなどの骨が細い魚」で、かつ「サイズ13cm以下」が目安となります。
ちなみに、これは「飾り包丁」ともいわれ、料亭や高級江戸前寿司でもみられます。
そして、見た目のキレイさだけでなく、味もよくなります。
理由は、鮮度が高い魚は、身が引き締まりすぎて食べにくいからです。
切れ目を入れることで、歯応えや口当たりがよくなり、魚のおいしさが最大限に楽しめます。
切り落とす
骨の全体の位置を確かめた後、骨がある部分を身ごと切り取ります。
小さな魚の場合
小さい魚(細い魚)だと、切り落とす量を最小限にしないとボリュームが保てません。
そこで、下図のとおり骨がある部分を確認して切り落とします。
図の下部「例:カサゴ・ニジマス・アジ」のとおり、魚種によって骨の入っている範囲が異なります。
切る前に「頭から尻尾に向かって、どこまで骨が入っているか」を確認することが、身を多く残すコツになります。

大きな魚の場合
大きい魚(幅がある魚)なら、下図のとおり、骨の両側で切り分けましょう。
目安は、調理するときの大きさが基準となるので、盛り付けや調理するために切る必要がある魚なら、先に切っても同じことです。(骨抜きがあっても、切っちゃったほうが楽で鮮度が保てます)
ちなみに、骨の両端で切り分けると、皮引きが簡単になります。
そのため、大きな魚の場合、「骨を切り取ってから、皮を引く」とするとキレイに捌けるでしょう。

デメリットの「身が小さくなってしまった・・・」と感じたら
焼く料理なら、重ねて焼きましょう。
魚の切り身を重ねた状態で火を通すと、お互いくっつきます。
例えば、小さい魚で骨を切り取った場合、そこを閉じてから焼くと、切り取り跡が目立ちません。
(鮮度が高いと開くこともありますが、歯応えが良いので分かりにくいです。)
揚げ物なら、小さな身でもかき揚げのようにまとめて揚げれば、ボリューム感は同じで美味しいです。
刺身なら盛り付けの時から重ねておいて、一口で食べやすいように盛り付けます。
どれも切ってない場合と食べ比べると差はありますが、カジュアルに食べる分にはほとんどの人が気づかないでしょう。
まとめ
この記事では、次のことをお伝えしてきました。
- 簡単、綺麗に骨抜きするコツとして、
「向き」「骨の探し方」「押さえ方」などを解説。 - 抜きやすい骨抜きのポイントは、「力が入れやすく」「たわまない」こと。
- 骨抜きを使わないで取る方法と、デメリットを抑える方法。
改めて紹介した骨抜きを再掲します。
繰り返しとなりますが、どちらも性能が良いので、いずれか安いものを買えば満足度が高いでしょう。
ホクト骨抜き名人(HSB-7S)
ホクト骨抜き名人(HSB-8R)