以前のページ(釣りの匂い対策①)で、臭いの原因や臭いが少ない釣りについて記載し、餌が主な原因の一つであることを解説してきました。
家族でお子さんを連れて行く場合や、魚を高確率で釣りたいときなど、臭いがあったとしても魚が釣れやすいエサを使い、たくさんの魚を釣りたい方も多いと思います。
特に臭いが付きやすい餌の代表として、エビを小さくしたような餌(オキアミ、アミエビ)が挙げられます。
それらを使用する際でも、匂いを抑える工夫や、匂いが付いたとしても簡単に落とせるような事前の準備が可能です。
本ページでは、「釣りにで臭いが強くなる主な理由」を解説後、その対策を「事前準備」と「当日の対応」の二つのカテゴリーに分けて具体的にご紹介していきます。
1 釣りに行くとなぜ臭いが強くなるのか
そもそも臭いを強くする要素として、濃度と水気があります。
濃度が高い部分では匂いが強まるため、それらの箇所を事前に把握し、集中的に洗浄することで、匂いを効果的に軽減することが可能です
水気に関しては、面積が広ければ広いほど蒸発量が増え、結果として臭いも強くなります。
水が汚れていれば匂いが強く、さらに水気が多ければ乾燥するまでの期間が長引き、その間匂いが発生し続けるため、注意が必要です。
このように、釣りにおける臭いは、臭いのあるエサがつくことだけで無く、水気が多く残ることも強い臭いの原因となります。
そのため、対策としては、臭いの濃い部分を減らすことと、水気を残さないよう意識することが大切です。
2 臭いが付かない対策を取るための事前準備
臭いがする釣りの場合、完全に臭いを無しにするのは困難です。
しかし、臭いが付きにくくしたり、付いても消臭することは可能です。
その対応は「事前準備」から始めるべきで、以下にその詳細を記載します。
2.1 道具:臭い対策として役に立つ物
- 水汲みバケツ: 紐がついたバケツで、現場で汚れたものを洗えるように持っていきます。海水で手やエサが入っていた袋などが洗える仕組みです。
- 魚を掴むもの(タオル等): 魚は握るとヌメりがつくため、臭いの基になります。魚バサミやタオルなど、特定のもので持つと良いでしょう。魚バサミは力加減や魚の扱いにコツがいるため、初心者の場合はタオルがおすすめです。
- 雑巾: 道具を洗った時に拭くために用意すると、臭いがさらに少なくなります。
- 汗拭き用タオル: 快適さを増すため、魚掴み用や雑巾と別に用意すると良いです。
- 使い捨てウェットペーパー: 最初は用意すると安心で、汗拭き用タオルの代わりとしても使えます。
- ゴミ袋(縛れるもの): エサが付いたゴミは後日臭うため、現場で分別して入れておけば後処理がしやすくなります。
2.2 洋服:臭い対策に適した、耐久性・機能性のある選択肢
臭いが出るエサを使用する場合、汚れや臭いがついた場合でも対応できる服装が良いです。
長時間干すことなども想定して、以下のような服装がお勧めです。
- 具体的なメーカー: モンベルなどの速乾性の洋服がおすすめです。特に山登り用のものは、夏であれば汚れた箇所を現場で洗ってもすぐ乾く利点があります。
- レインコート: 雨風対策だけでなく、汚れ対策にもなります。とはいえ、本格的にいく場合は、汚れていく可能性高いため、釣り用に割り切って用意した方が無難です。
釣りは自然の中で行うもののため、洋服の選び方に迷うこともあるでしょう。温度変化に対応したお勧めの洋服と組み合わせについては、下記のページで紹介していますので、合わせてご覧ください。
→釣り用の洋服の組合せ(レイヤリング)方法
3 当日の対応
3.1 「餌」の臭いを強くしない対策
釣りにおけるエサの臭い管理は、快適な釣り体験に直結します。
以下、エサの腐敗を防ぐための対策を紹介します。
- 腐敗防止: エサは腐ると臭いが強くなりますが、3〜4時間は腐りにくいです。そのため、使用する分だけを取り出し、残りはクーラーボックスに保存しておくと良いでしょう。
- 使い切りと少量ずつの使用: 新たにエサを取り出す際は、先に使い切り、ざっと水で流した後に少量ずつ取り出すと、水気が少なくなり、腐敗する前に乾燥します。これにより、効果的に臭いを抑えることができます。
- エサの保存方法: クーラーボックスに保存する魚にエサが付かないよう、エサは汁物用のタッパーに入れておくと良いです。ビニール袋は魚のヒレが刺さり穴が開く可能性があるため、避けると安全です。
- クーラーボックスのサイズ選び: クーラーボックスにエサを入れるスペースも考慮に入れると、小さい魚を狙う場合でも16L程度のサイズがおすすめです。
これらの対策により、釣り中のエサの臭いを最小限に抑えることができ、洋服や道具への臭い移りも弱くなるため、効果がとても大きいです。
3.2 「道具」に残る臭い対策
3.2.1 エサの入っていた袋(要注意)
エサの袋は臭いの大きな原因となり得るので、注意が必要です。
エサはビニール袋やケースに入っていることが多く、袋を洗わずにエサが付いたままだと、塊となり水分が残るため、とても臭くなります。
そのため、家に持ち帰っても問題ないように、丁寧に洗うことをお勧めします。
エサを使い終えたら、入れ物は水を張ったバケツにつけて、外側も内側も洗い、エサが残っていないか確認するとよいです。
ビニール袋の場合は、水分が残りやすく、一つでもエサが残ると腐敗してビニール内全体に臭いが広がり、強い臭いを発します。
また、エサがプラスチックケースの場合、底にスポンジが敷かれていることがあるため、これも要注意です。
ケースだけでなく、スポンジも水につけて揉み洗いするとよいでしょう。
私自身、最初はこれを軽視していましたが、丁寧に洗うことで、臭い対策として効果があり、時間もかからないので、洗うように心がけることをお勧めします。
3.2.2 竿(ロッド)やリールに付く臭い
「餌や魚を触った手のまま、竿(ロッド)を持ったり、リールを操作した時」に、その部分に臭いが付着します。
リールは「ハンドル」(クルクル回す部分の摘み)と「竿に付ける付け根」が主に手に触れる部分です。
竿(ロッド)は「グリップ」(手で握る部分)が主ですが、糸を解くなどで全体に触れることもあるため、竿全体にも臭いがつくと考えてよいでしょう。
対策としては、釣り場での片付け時に、雑巾などのタオルで拭くことです。
握る部分は、何度も握り直すことで乾燥と新たな付着が繰り返されることがあります。滑りが強い場合があるため、滑りがなくなるまで拭く方が良いでしょう。
なお、竿やリールを直接海水につけると、塩分で劣化しやすいため、避けた方が良いです(特にリールは、乾燥後に塩分が付着して使用できなくなるリスクあり)。
3.2.3 バケツの内外の餌の付着による臭い
内側だけでなく、外側の汚れにも注意が必要です。
底と地面の間に落ちたエサが潰れて付着することもあるため、これにも留意が必要です。
対策としては、中だけでなく外側も洗うようにし、可能であれば紐で海に落として洗うと効果的です。
エサを入れていた等、エサが残っている可能性がある場合は、濡れた雑巾で擦るとよいでしょう。
帰宅後に外で洗いにくい環境の場合は、釣り場で洗った後に雑巾で拭くと効果があります。
特に、バケツの内側は水分が残ると乾燥しずらく、臭いの原因になりかねないため、雑巾で拭くとよいです。
3.2.4 クーラーボックスの外側の臭い
内部には魚が入っていることが多いですが、外部も餌などで汚れることが意外と多いです。
外部に臭いがつく原因としては、「魚を入れる際に触れる」「魚の滑りや口から出た餌が落ちる」「持ち運んで置く時に落ちた餌の上に置いてしまう」などが考えられます。
釣り終了後の片付け時には、これらの汚れを取り除くように心がけるとよいでしょう。
クーラーボックスは、水で流すと取手やロックに水が溜まりやすく、車内で水が滴ることもあるので、雑巾で拭くのがお勧めです。
3.2.5 魚を掴んだタオルの汚れと洗い方
魚をタオルで掴むことで、魚の汚れは基本的にタオルが全て吸収してくれることとなります。
結果としてタオル自体が非常に汚れやすくなりますが、これによって他の道具が汚れることを防げます。
タオルに付着した魚の滑りや臭いは濃度が高いため、釣り場での洗い方に工夫が必要です。
水を張ったバケツで洗って、固く絞って水気を減らして持ち帰ることが一般的ですが、砂がない磯場や護岸であれば、洗う際に地面を洗濯板変わりにして擦るとよく落ちます。
また、釣りに行く頻度が低い場合は、固く絞ってビニール袋に入れて使い捨てにする方法もあります。
4 まとめ
今回の記事で触れたのは、臭いを抑えるための予防策としての事前準備、さらに餌、洋服、道具のそれぞれに関連する汚れの原因とその解消方法です。
これらの方法を意識的に取り入れることで、釣り後の臭いや汚れを軽減させることが可能です。
なお、ニオイ対策に関連して、下記ページのとおり連載しているため、合わせてご覧ください。
- 釣りの臭い対策①:臭いが付かない釣りを選ぶ
釣りのニオイの原因と、それを極力使用しない釣りを解説していきます。 - 釣りの臭い対策③:洋服、道具、台所、それぞれの消臭方法
対策をしても、臭いがついてしまった際の消臭対策を解説しています。
洋服や道具の他、魚を扱う台所の臭い対策についても触れています。
【補足】船のアジ釣り(アジビシ等)に関して
本ブログでは、船のアジ釣りを特に推奨していますが、撒き餌を使用するため、釣り後の臭いが気になる方も多いと思います。
そのため、船のアジ釣りに特化した臭い予防対策をまとめた記事も掲載しているため、合わせてご覧ください。
→船のアジ釣りの匂い、汚れ対策
※ 参考
本ブログでは、釣りを趣味として深めていきたい方や経験者向けに、釣り方毎の詳細や、釣具紹介等を掲載していく予定ですので、ご覧ください。
→本サイト全体の目次
また、釣りを始めたい方向け情報をまとめたカテゴリーページはこちらです。
→1_釣りを始めてみたい方向け